研究課題/領域番号 |
10J01342
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物分子科学
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
横倉 沙紀 (揺本 沙紀) 香川大学, 医学部, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2012年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | Calmodulin / カルシウムシグナリング / タンパク質リン酸化酵素 / CaMKK / STO-609 / 自己リン酸化 / 細胞内カルシウム / 自己阻害 / カルモデュリン / プロテオミクス解析法 / カルシウムシグナル / 神経細胞 / Plastic related Gene 1 (PRG1) / Postsynapse |
研究概要 |
ca^<2+>/calmodulin-dependent protein kinase kinase (caMMK)は、多機能性calmodulin kinase (caMK)であるcaMKIおよびCaMKIV、さらには5'-AMP-actived protein kinase (AMPK)やBrain-specific kinase (BRSK1)の触媒領域の活性化ループに存在するトレオニン残基をリン酸化することにより、それらのリン酸化酵素活性を飛躍的に上昇させることが明らかとなっている。 CaMKKカスケードはこれまでの研究成果より、CaMKKは多様な細胞内カルシウム依存性反応においてマスターレギュレーターとして機能することが推定されている。すなわち、CaMMKの新規リン酸化基質分子を同定することは、CaMKKを介した新しいカルシウムシグナル伝達経路の解明につながる。本研究においては、リン酸化供与体として生理的なATPではなくGTPを使用することで、新規リン酸化基質の探索に有用なCaMKKの酵素的特性について明らかにした。一方で、細胞内には数多くの内因性タンパク質リン酸化酵素が存在しているため、組織、細胞抽出溶液から標的タンパク質リン酸化酵素の生理的基質を同定することは技術的に困難である。そこで、まず初めにATP以外のヌクレオチドを用いたCaMKKのリン酸化能について検討した。組み換えCaMKKアイソフォームは、CaMKIとAMPKに対するリン酸化反応においてMg-GTPをリン酸基供与体として利用する能力を持つことが明らかとなった。また、Mg-GTPを用いる事で潜在的なCaMKK基質候補分子として、STO-609で阻害されるCa^<2+>/CaM依存的にリン酸化されるのタンパク質を検出することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
筆頭著者として、BMC biochemistry誌に、In vitro substrate phosphorylation by Ca^<2+>/calmodulin-dependent protein kinase kinase usingguanosine-5' -triphosphate as a phosphate donorを発表した。
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今後の研究の推進方策 |
CaMKKがリン酸化供与体としてMg-GTPを用い、さらにCaMKK阻害剤STO-609を組み合わせる本手法がCaMKKの標的基質分子の網羅的同定に有用な手段であることが示唆された。Mg-GTPでCaMKIとAMPKのサブユニットは活性化ループにそれぞれ、Thr177とThr172がリン酸化されていることがわかった。この結果は、効率的にin vitroでのThr177でCaMKIの触媒ドメインをリン酸化するリン酸供与体としてのMg-GTPを活用した組換えCaMKK isoformと一致する。 CaMKK isoformは、Mg-ATPとAMPKのサブユニットをリン酸化しながら、唯一のCaMKKは、in vitroでのMg-GTPでAMPKをリン酸化することが可能である。今後は、GTPを用いた動態解析を行い、リン酸供与体としてのMg-GTPを利用するCaMKKのユニークな能力は、阻害剤のSTO-609を使用した組み合わせでCaMKKのための新たな下流の標的キナーゼをスクリーニングしたい。
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