研究課題/領域番号 |
10J01782
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
家中 信幸 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2012年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 宇宙背景放射 / 可視光天文学 / ダスト / 散乱光 / 分子雲 / 銀河形成 / 銀河拡散光 / 分子曇 |
研究概要 |
可視光宇宙背景放射には赤方偏移6から現在までに放射された光が記録されており、銀河や活動銀河核の形成、宇宙大規模構造の成長を考察するための重要な物理量であるが、背景放射に比べて圧倒的に強い前景光に妨げられて、いまだに確かな測定結果は得られていない。 本研究の目標は可視光宇宙背景放射の測定である。本研究で用いた暗黒星雲による遮蔽効果を利用する手法は、既存のモデルに寄らずに地球大気の光や太陽系ダスト起源の前景光の分離できるという利点がある。しかし、ここで問題になるのが銀河系のダストによる散乱光(銀河拡散光)である。本研究では遠赤外線と可視光を比較することによって、この銀河拡散光を除去する手法を試みた。本研究によって銀河拡散光の強度は(ダストの薄い領域では)これまでに報告されている可視光背景放射の強度とほぼ同程度であることが分かった。また遠赤外線との相関を利用することで十分な精度で銀河拡散校を除去することが可能であることも明らかになった。 平成24年度の成果は以下のとおりである。 1、東京大学木曽観測所105cmシュミット望遠鏡での観測で得られた可視光画像のデータ解析を行った。前年度までの観測で確立された、新たなフラットフィールディングの手法により、これまでで最も精度の高い銀河拡散光の測定値を得ることに成功した。 2、銀河拡散光強度と遠赤外線強度の比較を行い、単一の分子雲領域において初めて、複数の波長で線形相関を確認し、銀河拡散光の波長依存性を同一の観測手法で測定することに成功した。 3、観測された銀河拡散光の波長依存性から、銀河拡散光には散乱光だけではなくダストの放射成分が含まれていることを示唆する結果が得られた。さらに、これまで考えられてきたよりも近赤外線での銀河拡散光が強い可能性を示唆する結果も得られた。
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