研究課題/領域番号 |
10J01975
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
高分子化学
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研究機関 | 九州大学 (2012) 大阪大学 (2010-2011) |
研究代表者 |
小野 利和 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
2012年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2011年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2010年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | タンパク質ナノ集合 / 高分子-タンパク質集合体 / ヘムタンパク質 / ミオグロビン / 酸素還元 / タンパク質ナノ集合体 / 高分子-タンパク質複合体 / タンパク質ナノ集合構造 / 合成高分子 |
研究概要 |
天然に学び天然を超えるバイオマテリアルの創出を目的として、遺伝子工学や有機化学的手法を駆使したタンパク質の機能化に関する研究が広く行われている。中でもタンパク質一高分子複合体の調製は、安定性、刺激応答性、触媒能など、両者の特性を融合可能な技術である。本研究では、順序や数を規定して複数個のタンパク質を集合化させる為の手法として、タンパク質一高分子複合体に着目した。「鋳型高分子を用いたタンパク質アレイの創製と高次構造の制御」を通じて、バイオデバイス、医療材料、触媒等の有用なバイオナノマテリアルへの応用に向けて、本年度は以下の項目を実施した。 (1)ミオグロビンダイマーを架橋点とした高分子-タンパク質複合体ゲルの調製と評価 遺伝子工学的手法により調製したアポミオグロビンダイマーと、ヘムを修飾したポリアクリル酸が、緩衝溶液中で自己集合する事により、マイクロゲルを形成することを明らかとした。配位子吸着能の評価から、ゲル中においてもタンパク質の4次構造を保持していることが明らかとなった。 (2)ミオグロビンを用いた燃料電池用カソード触媒の調製と評価 ミオグロビンを窒素雰囲気下にて焼成する事により得られたカーボン材料が、酸素還元触媒として機能することを明らかとした。カーボンブラックやカーボンナノチューブ等の電気伝導性を示すカーボン材料と複合化させる事により、更なる触媒能の向上が観測され、燃料電池用カソード触媒への展開が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書に記載した通り、鋳型高分子の分子量やヘムタンパク質のデザインに依存した高分子・タンパク質複合体の調製を達成した。更に遺伝子工学的手法により調製したミオグロビンダイマーと高分子との複合化により、タンパク質を架橋点としたマイクロゲルの調製が可能であることを明らかとした。また別のアプローチとして、ミオグロビンを焼成したカーボン材料の調製にも取組み、酸素還元触媒として機能することを明らかとした。
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今後の研究の推進方策 |
調製したマイクロゲルを利用して、新しい反応場として利用可能か(例えば酸化触媒など)を検討する。また条件検討を行うことにより、ナノゲルの調製によりドラッグデリバリーシステムへ適用する。
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