研究課題
特別研究員奨励費
Tタウリ型星周りの原始惑星系円盤は、惑星形成過程の出発点に位置する天体であり、その物理的性質を求めることは重要な課題である。本年度は6月から10月にかけてカリフォルニア工科大学に滞在し、NASAのWISE衛星の関係者との共同研究を行った。2011年現在では打ち上げ後の約半年分のデータ(全天の約半分の領域)が公開された状態であり、その中で円盤を持つ天体の候補天体の探査を始めた。また昨年度データ処理を行ったカメレオン座領域の解析を進めた。カメレオン領域には星形成活動が活発な分子雲とほとんど無い分子雲とが含まれており、これらの領域の環境を調べることで、それらが星形成に与える影響を探れる。「あかり」による観測のうち、遠赤外線を用いたものはIkeda et al.2012としてまとめられた。中間赤外線による観測についても解析を行い、結果をまとめた論文は2012年3月に投稿した(Takita et al.submitted)。「あかり」中間赤外線全天サーベイによるTタウリ型星の探査についても、更なる追観測を進めた。円盤起源の赤外超過放射を調べることでTタウリ型星の候補天体は見つかるが、それが本当のTタウリ型星であるかどうかは追観測による確認が必要である。昨年度行ったおうし座領域での探査では実際に23個のTタウリ型星を分子雲から離れた場所で新たに発見した。次にこの天体の円盤の物理量を求めるには、中心星の物理量が重要になってくる。このため2011年10月に岡山天体物理観測所で追観測を行い、星のスペクトル型を決定し、星の温度(質量)を求めた。またこれとは別に、2012年1月から野辺山45m電波望遠鏡を用いて、円盤もしくは残存コアのCO分子ガス輝線の観測を行っている。円盤ガスの検出例はこれまではあまり見られないが、検出できれば運動状態を直接見ることができる。またTタウリ型星周囲に母体となった分子雲コアが残っていれば、そこからこれらのTタウリ型星の起源を探ることができる。1月の観測では悪天候もあり、予定の半分しか観測ができなかったが、いくつかの天体でCOガスを検出している。
すべて 2012 2011 2010
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (4件)
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