研究課題/領域番号 |
10J02617
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
創薬化学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
大橋 南美 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | PKC / ペプチド / バイオセンサー / 環境応答性蛍光基 / リガンドスクリーニング / ハイスループットスクリーニング / 蛍光性δClb / 蛍光標識 / 蛍光性δC1bドメイン |
研究概要 |
蛍光を用いたPKCリガンドの2段階階評価系の構築とバイオセンサーへの応用を目的とし、蛍光標識したPKCリガンド結合ドメイン(C1b)を用いる評価系のリガンド結合検出感度の向上を試みた。蛍光性δC1bを基にした評価系では、リガンド結合に伴う環境応答性蛍光基近傍の環境変化に起因する蛍光強度の増大によりリガンドの結合を検出する。なので、リガンド結合ポケットと蛍光基の距離が検出感度に影響すると考えた。そこで、リガンド結合ポケットと蛍光基の距離の最適化を行うためのリンカー長を変えた新たな蛍光性δC1bの作製に用いる蛍光修飾されたアミノ酸誘導体の合成に着手した。これまで作成した蛍光性δC1bのリンカー長(1nm)を参考に、αCから0.3nm-1.5nm離れた側鎖部分に蛍光基を有する蛍光性Fmocアミノ酸を合成した。既存の蛍光性δC1bよりも短い0.6nmのリンカーを有する蛍光性δC1bを作成し、[^3H]PDBuを用いた競合阻害実験行ったところwild typeと同等の[^3H]PDBu結合活性を示した。また、競合阻害実験において実際にリガンドと結合している分子の割合をwildtypeを基準に算出したところ、既存の蛍光性δC1bは10%なのに対し0.6nmリンカーを有する蛍光性δC1bは48%であることから、リンカー長を短くしたことでリガンド結合能を有するフォールディング状態の安定性が向上したと考えられる。蛍光性δC1bの構造安定性は評価系の再現性に大きく影響するため、これらの結果は蛍光性δC1bを用いる評価系を実用化するうえで重要な知見である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
海外渡航制度を利用して海外の研究室で研究活動を行っており、本来の研究計画とは異なる研究に従事しているため。
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今後の研究の推進方策 |
蛍光を用いたPKCリガンドの2段階階評価系を構築するために、まずタンパク質側からのアプローチである蛍光性δClbドメインを用いる評価系の最適化を行う。最適条件を探索するための蛍光性δClbライブリーの作製において、Bode ligation法の利用を計画していたが、ペプチドのアミノ酸側鎖上でのligation反応が困難であることが考えられるため、これまでと同様に蛍光性Fmocアミノ酸を用いたペプチド固相合成法を用いることとする。その後、化合物ライブラリーに対して評価を行い、リガンド側からのアプローチである蛍光性DAG-lactoneをプローブとして用いる評価系との結果と比較し、2段階階評価系の実用化を目指す。バイオセンサーへの応用については研究計画の記載に従って行う予定である。
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