研究課題/領域番号 |
10J02886
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
形態・構造
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
池上 太郎 九州大学, 大学院・農学研究院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | クサフグ / 産卵リズム / 潮汐リズム / メラトニン / メラトニン受容体 / モノアミン / 松果体 / 水圧 / 月周リズム / 時計遺伝子 |
研究概要 |
昨年の解析により、クサフグ松果体のメラトニン受容体遺伝子が15時間周期の発現をすることから、メラトニン受容体が潮汐リズムの形成に関わっていることが示唆された。本年度は、培養条件下においてもメラトニン受容体遺伝子の発現リズムが維持されるのか調べた。さらに、メラトニン受容体のリガンドであるメラトニンの分泌リズムを明らかにするため、灌流培養系を確立して、1時間ごとに松果体から分泌されるメラトニン量を、高速液体クロマトグラフィーを用いて調べた。培養条件下では、クサフグの4種のメラトニン受容体サブタイプ遺伝子のうち、Mel1bとMel1cの2つのサブタイプ遺伝子の発現が一日に2つのピークをもつ概半日リズム(概潮汐性)を示した。松果体で合成・分泌されるメラトニンは、明暗条件では暗期に高く、明期に低い日周変動を示した。一方、恒暗条件下では、メラトニンは、主観的暗期にピークを持つ正弦性の24時間周期の概日変動を示した。以上より、クサフグの松果体においてメラトニン受容体が概潮汐性のリズムを持っており、松果体に潮汐性の時計が存在することが示唆された。 つづいて、潮の満ち引きの情報の伝達因子であると予想される神経伝達物質であるモノアミンについてキンギョを用いて調べた。潮の満ち引きによって、魚にかかる水圧が変化する。つまり、潮汐情報は水圧であると予想される。このことから、水圧をかけたときにキンギョの脳内で変動するモノアミン量およびその代謝産物量を調べた。水圧をかけると、キンギョ脳内ではドーパミン、ノルエピネフリン、セロトニンおよびそれらの代謝産物の量が有意に上昇した。以上より、潮汐情報が脳内でモノアミンに変換されて、伝達されることが示唆された。
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