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中国清末期開明知識人による中国社会論の展開――郭嵩トウを起点として

研究課題

研究課題/領域番号 10J02946
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 中国哲学
研究機関東京大学

研究代表者

小野 泰教  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2010
研究課題ステータス 完了 (2010年度)
配分額 *注記
700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワード清末政治思想史 / 官権 / 士大夫 / 郭嵩〓:劉錫鴻 / 陳宝箴:黄導憲 / 張之洞:袁世凱 / 国際情報交換 / 中国
研究概要

本研究では清末開明知識人郭嵩〓(1818-1891)らが中国社会最大の問題点として、当時の「官権」の在り方(官僚・官僚制の在り方)に関心を有していたことに注目し、彼らの間の二つの官権観-一つは従来の政治主体としての士大夫官僚を活性化させるべきとするもの、もう一つは民の意思を実現する行政専門家としての官僚を創出すべきとするもの-の葛藤から清宋政治思想史を描き出すことを目標とした。本研究は三部構成で、第一部は、従来の官権の在り方への懐疑や前述の二つの官権観が西洋認識とともに出現する段階(郭嵩〓・劉錫鴻の議論)、第二部はこつの官権観が地方行政の改革に反映されていく段階(陳宝箴・黄遵憲の議論)、第三部は科挙の是非を中心に国政の改革につながっていく段階(張之洞・袁世凱の議論)である。本年度は、1.第二部につき、従来-地方行政改革とされてきた湖南戊戌変法が、実は本研究第一部から続く官権観の議論の実現として捉えることが可能であることを明らかにし、第一部と第こ部を連結させた。2.研究に着手してまもない第三部につき、中国社会科学院により洛陽で開催された「第三届中国近代思想史国際学術研討会」に参加、第一線の中国人研究者から直接指導を受けた。3.第一部から第三部を俯瞰するため、郭嵩〓を起点として1890年代までの士大夫官僚と専門技術者との関係を考察し、この時期一貫して、旧来型士大夫官僚を重視する官権観と、専門技能を有する官僚を重視する官権観との対立があったことを明らかにした。4.知識人の言説に加え事績をも再検討し、研究の精度を高めた。本研究の起点であり、旧来型の士大夫官僚の在り方を重視した郭嵩〓の事績を分析し、彼が財政、外交、民衆教化に同時にかかわっていたことを指摘、専門性を超えた旧来型士大夫官僚の能力を重視する郭の官権観の意義を確認した。研究代表者は本年度(初年度)で日本学術振興会特別研究員DC2を辞退した。

報告書

(1件)
  • 2010 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 清宋期官僚郭嵩〓(1818-1891)の『荘子』解釈-その政治秩序観を中心に2011

    • 著者名/発表者名
      小野泰教
    • 学会等名
      日本中国学会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2011-03-26
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [学会発表] 清末における西学と学会-郭嵩〓(1818-1891)を起点として2010

    • 著者名/発表者名
      小野泰教
    • 学会等名
      国際ワークショップ17~19世紀東アジアにおける西学の受容と展開
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2010-10-02
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [学会発表] 咸豊後期郭嵩〓的釐金政策与其歴史背景-進歩与保守之間2010

    • 著者名/発表者名
      小野泰教
    • 学会等名
      第三届中国近代思想史国際学術研討会
    • 発表場所
      中国・洛陽・洛陽師範学院(招待講演)
    • 年月日
      2010-08-16
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [学会発表] 成豊期郭嵩〓の軍事費対策-士大夫意識、西洋体験との関連から見た2010

    • 著者名/発表者名
      小野泰教
    • 学会等名
      中国社会文化学会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2010-07-10
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [図書] 戊戌変法与晩清思想文化転型(研究代表者小野が担当の標題は「再論湖南戊戌変法-湖南巡撫陳宝箴与時務学堂、南学会」)2010

    • 著者名/発表者名
      鄭大華, ほか(共著)
    • 出版者
      社会科学文献(中国・北京)
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書

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公開日: 2010-12-03   更新日: 2024-03-26  

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