研究課題
特別研究員奨励費
本研究の目的はバルクでは固溶体を得ることの出来ない合金系において、そのサイズをナノレベルまで小さくすることで新規の合金ナノ粒子を作製し、その構造や電子状態を、物性を通して理解することである。新規の固溶体型合金は、いわば新たな物性を持ちうる新規の元素と同等であり、材料開発をはじめとする研究範囲を益々拡大する可能性があることは明白である。我々は特に周期表において、レアメタルであるPdの周辺に存在する遷移金属の合金系に注目し、研究を行っている。本年度はこれまで作製してきた新規のAgRh固溶体ナノ粒子および、PdRu固溶体ナノ粒子、さらにfcc構造を有する新規のRuナノ粒子を中心に、他研究室と共同研究を行い、その構造、および触媒活性の検討を行った。その結果、既存の構造を有する金属ナノ粒子とは異なる物性を有することが明らかとなり、その内、fccRuやPdRu合金はCO酸化反応において、高活性を示すhcp構造のRuナノ粒子および、Rhナノ粒子よりも高い活性を示すことが明らかとなった。また、fccRuナノ粒子はこれまで作製された報告例はなく、本研究が世界初の事例となる。このfccナノ粒子はサイズ制御も容易に行え、hcp構造を有するRuナノ粒子とCO酸化反応に対する触媒特製のサイズ依存性について調べたところ、hcp構造のRuナノ粒子はサイズ減少に伴い、触媒能が向上するのに対し、fcc構造のRuナノ粒子はサイズが大きくなるにつれ、その触媒能が向上するといった全く逆の傾向が見られた。
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http://www.asahi.com/car/news/OSK201012300105.html
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