研究課題/領域番号 |
10J03557
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
川口 葉子 大阪大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2012年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2011年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2010年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | 日本基督教団 / 教団紛争 / キリスト教館 / 万国博覧会 / アジア・太平洋戦争 / 日本基督教 / キリスト教ブーム |
研究概要 |
本年度は、前年度に引き続き、アジア・太平洋戦争を経た戦後日本のキリスト教が社会的状況と切り結ばれるなかで「キリスト教」が捉え返される運動を、日本万国博キリスト教館という具体的な場に即して考察した。 前年度はキリスト教館それ自体の考察をおこなったが、本年度はそれをひとつの契機とする日本基督教団の教団紛争について、キリスト教館をめぐる推進・反対運動における神学的言説を「教会」と「社会」という概念の関係性によって捉えようとした。 まず、終戦からの流れの中で「教会」と「社会」について捉えながら、主に60~70年代における「教会」と「社会」の区分とその関係について考察し、またそれによって「社会」に対置するものとしての「教会」がどのように問いなおされてきたのかを考察した。教団紛争において「教会」と「社会」が対立概念とされるなかで、・方では「教会」から「社会」を外部化する信仰のありかたを問いなおすものとしての方向性があったが、他方では「教会性」ともいえる本質論的言説が登場することでその区分をより強固なものとしていく方向性が出てきたことを指摘し、キリスト教館が社会的・政治的なものをよりわける本質論的言説のなかで生み出されたものであることを明らかにした。 それにかかわって、戦後キリスト教におけるアジア・太平洋戦争の痕跡についても考察し、当時の教団において戦争の経験が現在に接続されるものとして批判的に想起されたことを指摘した。それによって本質論的な「教会性」が捉え返されるものであり、戦争をどのように捉えるかが「教会」と「社会」の二分化に機能を果たしていたことを明らかにした。
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