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南アジアの公共性と地域主義に関する人類学的研究―インド、ムンバイの都市空間から

研究課題

研究課題/領域番号 10J03660
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 文化人類学・民俗学
研究機関一橋大学

研究代表者

田口 陽子  一橋大学, 大学院・社会学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2010 – 2011
研究課題ステータス 完了 (2011年度)
配分額 *注記
800千円 (直接経費: 800千円)
2011年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2010年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
キーワード公共性 / 市民社会 / 都市計画 / ミドルクラス / 物質コード / 人格 / ムンバイ / インド / 商人 / コスモポリタン
研究概要

本研究の目的は、現代インドの都市における「公共性」のあり方を明らかにすることである。平成23年度は長期の現地調査を行い、南アジア研究における人格論を援用して、ムンバイにおける公共性を検討した。調査開始当初は、現地の都市計画と食物を扱う移民商人の活動の関係性に焦点を当て、人格を構成する「物質コード」(物質と規範コード、行為者と行為を切り離せないものとして考える南アジアのエスノ・ソシオロジーの概念)の概念を検討するべく、食物の授受や流通についてのデータを収集することを目的としていた。現地で調査を進めるにしたがい、現代ムンバイにおいてミドルクラスの「市民」における社会運動が活発化しており、それらの運動がおもに食物を扱う移民商人、露天商の啓蒙と排斥という一見矛盾する活動に力を入れていることがわかった。物質コードの授受や公共空間の再構成に直接かかわり変更を加えようとするそれらの運動に焦点を当てることが本研究にとって重要と判断し、「市民活動」を看板に掲げるムンバイ市の住民団体や英字新聞、政治団体を主な調査対象とした。具体的には、タブロイド紙の主導する美化キャンペーン、ミドルクラスの住民団体による市民活動、「市民候補者」を選出しようとする選挙運動への参与観察と主要活動家への聞き取りを行った。
物質コードの概念は、ムンバイにおける「市民」や「市民社会」を分析概念としてのみではなく具体的でローカルなマテリアルとして捉えるために有効だと考えられる。そのうえで、本研究では、物質コードのやりとりに注目して現実生成の過程を観察することを試みた。具体的には、調査対象者の用語や行為、使用されるモノに焦点を当て、彼らによる「市民」の具現化と美学がどのような形で表されているのかを分析した。さらに、公共空間をめぐるミドルクラスの活動家と露天商らのコンフリクトに注目し、パーソンの重層性と空間的境界の変容を検討した。

報告書

(2件)
  • 2011 実績報告書
  • 2010 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2012 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] ナヴィ・ムンバイ商人の『ビジネス』の論理:『コスモポリタン』の再考にむけて2010

    • 著者名/発表者名
      田口陽子
    • 雑誌名

      くにたち人類学研究

      巻: 5 ページ: 47-72

    • NAID

      120002205325

    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] コンタクト・ゾーンからみるインド料理の成立:ディアスポラの役割を中心に2010

    • 著者名/発表者名
      田口陽子
    • 雑誌名

      Contact Zone

      巻: 3 ページ: 124-143

    • NAID

      120005307117

    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 市民社会と代表性:ムンバイのミドルクラス社会運動を事例に2012

    • 著者名/発表者名
      田口陽子
    • 学会等名
      人間文化研究機構プログラム「現代インド地域研究」主催、現代インド・南アジア次世代研究者合宿
    • 発表場所
      国民宿舎みやじま杜の宿、広島県
    • 年月日
      2012-03-04
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [学会発表] The Aesthetics and Form of Civil Society : Fighting the Filth in Mumbai2012

    • 著者名/発表者名
      田口陽子
    • 学会等名
      "Opening the Boundaries of Citizenship" Conference, European Research Council funded OECUMENE Project
    • 発表場所
      The Open University, Milton Keynes, UK
    • 年月日
      2012-02-06
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [学会発表] 『コスモポリタン』都市を支える『ビジネス』研究の可能性:インド、ナヴィ・ムンバイの商人の事例から2010

    • 著者名/発表者名
      田口陽子
    • 学会等名
      日本南アジア学会第23回全国大会
    • 発表場所
      法政大学多摩キャンパス
    • 年月日
      2010-10-03
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [学会発表] 現代インドにおける都市と村についての人類学的考察:ナヴィ・ムンバイの都市計画を事例に2010

    • 著者名/発表者名
      田口陽子
    • 学会等名
      人間文化研究機構プログラム「現代インド地域研究」現代インド・南アジアセミナー
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2010-09-19
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [図書] 第6章「コンタクト・ゾーンからみるインド料理:国民料理の形成と記述をめぐって」『コンタクト・ゾーンの人文学』第2巻、田中雅一、稲葉穣(編)2011

    • 著者名/発表者名
      田口陽子
    • 出版者
      晃洋書房
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [図書] 「コンタクト・ゾーンからみるインド料理:国民料理の形成と記述をめぐって」『コンタクト・ゾーンの人文学』第2巻、田中雅一、稲葉穣(編)2011

    • 著者名/発表者名
      田口陽子
    • 出版者
      晃洋書房(印刷中)
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書

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公開日: 2010-12-03   更新日: 2024-03-26  

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