研究課題/領域番号 |
10J04074
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
航空宇宙工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松岡 常吉 北海道大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 燃え拡がり / ポリメチルメタクリレート / ダムケラー数 / 吹き飛び限界 / マイクロフレーム / 安定燃焼 / 燃え広がり / 火炎長さ / 微小重力火炎 |
研究概要 |
本研究では、管内を燃え拡がる火炎がマイクロフレーム、つまり拡散支配の火炎となる条件を明らかにすることが目的であった。昨年度まではマイクロフレームとなる実験条件を調べ、その火炎の大きさはレイノルズ数によって決まることを見出した。噴流拡散火炎の場合は浮力による影響が大きいため、レイノルズ数の条件に加えてフルード数が1より大きいという条件がある。この結果をふまえて、管内燃え拡がりの浮力の影響および燃焼機構を明らかにするために、今年度はより広範な条件で実験を行い以下の知見を得た。 1.管内燃え拡がりで酸化剤流速を大きくしたときに特異的に起きる安定燃焼への遷移条件がダムケラー数によって決まることを明らかにした。この結果はこれまで特異的であると考えられてきた管内燃え拡がりが(曲率の影響を入れ込んだ)平板上の燃え拡がりの拡張として考えられることを示唆している。 2.管内燃え拡がりでは、火炎は自身の熱によって酸化剤流路に凹みを形成しその凹みに入り込むことで、吹き飛び限界以下でも保炎することができることを明らかにした。このような限界ダムケラー数以下の燃え拡がりは既存の燃焼学では観察されていなかった現象であり、その保炎機構は燃焼学的に興味深いだけでなく、火災予防や消火などについての基礎的知見を与え得るものである。 3.管内燃え拡がりは文字通り燃焼内部を燃え拡がる現象であるため、流れ場の半径方向は燃料壁面によって制限される。したがって浮力による自然対流の影響は、通常の燃え拡がりや噴流拡散火炎に比べてかなり小さくなる。火炎の長さに与えるフルード数の影響は小さくなるため、径の小さい管内を燃え拡がる火炎は本質的に拡散支配の火炎となることを示した。
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