研究課題/領域番号 |
10J04493
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物分子科学
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
高田 雄一 山口大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2010 – 2012
|
研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
|
配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2011年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2010年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | スフィンゴ脂質 / 活性酸素 / マクロファージ / 血管異常収縮 |
研究概要 |
本年度は、血管異常収縮の原因分子であるスフィンゴシルボスホリルコリン(SPC)が、活性酸素の一種であるOHラジカル依存的に、スフィンゴミエリン(SM)から産生されることを、分子・細胞レベルで証明するための研究を行い、以下の成果を得た。 1.分子レベル:OHラジカル依存的なSPC産生が特異的な反応であるかどうかを検討するため、SM分解産物について、インフユージョン導入法によるLC-MS分析を行った。これまでのSPC産生溶液においては、SMを完全に溶解させるため、TritonX-100を含む溶液を用いていたが、直接的なインフユージョン導入法では分析を阻害するため、TritonX-100を含まない溶液を用いて反応を行った。LC-MS分析の結果としては、SPCのm/zである465.3付近にシグナルの僅かな増加が認められ、また、それ以外のいくつかのm/zにおいても増加が認められた。以上のことは、OHラジカル依存的に複数のSM分解産物が生じている可能性、および、SPC産生量については、溶液組成の影響を受ける可能性を強く示唆している。 2.細胞レベル:本研究では、SPC産生メカニズムの基盤として、マクロファージのライソゾーム中における赤血球消化を想定している。そこで、ヒト単球系細胞THP-1を、や融刺激によりマクロファージ様細胞に分化させた後、赤血球(オプソニン化あり・なし)や赤血球膜ゴーストを食食させ、細胞内に生じるOHラジカルの量を蛍光指示薬であるHPFを用いて検出した。結果としては、これまでの実験でSPCが産生された条件である、オプソニン化赤血球を食食させた場合のみ、OHラジカルの著明な増加が認められた。以上のことから、ヘモグロビンを含む赤血球の食食・消化の過程でOHラジカルが産生され、そのOHラジカルが赤血球膜のSMに作用してSPCが生じている可能性が強く示唆された。
|