研究課題/領域番号 |
10J04565
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
香月 雅子 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2012年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | マメゾウムシ / 資源配分 / 繁殖投資 / トレードオフ / 性的対立 / 共有形質 / 性比 / 精子競争 / ヨツモンマメゾウムシ / 資源競争 / ハラスメント |
研究概要 |
多くの昆虫種では、オスの残す子どもの数は、配偶者となるメスの数に依存する。そのため、オスは配偶者を獲得するために闘争行動やスニーキングのような多くの戦略を採用する。そして、より多くの子どもを残したオスの形質が次世代に広まり、繁殖形質の進化を方向づけていく。どのようなオスの繁殖形質がどのように進化するかは、その種、集団のおかれる環境によって異なる。そこで、申請者はどのような要因がオスの繁殖形質に影響を与え、どのような進化が生じるのかということを研究目的とした。当年度では、様々な環境要因の中で、オスの成虫密度が繁殖形質の進化に与える影響に関して研究を行う予定であった。しかしながら、実験系統に寄生者がついてしまい、系統の確立、実験を行うことができなかった。そこで、人為的な選択による系統の確立以外で用いられる量的遺伝学的手法を用いて巣の繁殖形質の進化について実験を行った。アズキゾウムシの複数の地理的系統を用い、系統間の繁殖形質と分散形質の投資の違いを調べた。実験の結果、オスの繁殖形質と分散形質との間には遺伝的なトレードオフが存在し、繁殖形質へ投資したオスと分散形質に投資したオスでは、それぞれ繁殖に有利になる環境下が異なることがわかった。これらの結果から、オスの繁殖形質と分散形質の投資量への選択は、個体の密度やライバルの多さだけでなく、空間の複雑さによっても生じることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究を行うにあたり、マメゾウムシ以外の種も研究課題を行うにあたり有効であるため、複数の種を用いて研究をすすめている。マメゾウムシでは成果も出にくい研究も、当初の研究計画から開始が遅れながらも成果がでており、研究成果を論文掲載まで持ち込むことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後もこのDC1での3年間にでた研究データを論文化し、国際誌に掲載することを目指す。実験を行うにあたり、マメゾウムシ類だけでなく、より実験に適した材料を用いることで、成果をだすことがわかったため、マメゾウムシ以外の種も用いて研究をすすめていく。
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