研究課題/領域番号 |
10J04652
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
坂本 雅行 京都大学, ウイルス研究所, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 成体脳ニューロン新生 |
研究概要 |
ヒトを含めた多くの哺乳類の成体脳にも神経幹細胞が存在し、嗅球や海馬ではニューロン新生が一生涯を通じて起こっている。本研究では、嗅球に組み込まれる成体脳新生ニューロンの機能的意義を解明するため、成体脳新生ニューロンを選択的に除去可能な遺伝子改変マウスの解析をおこなった。これらマウスを用いそ行動解析をおこなったところ、匂いの識別や嗅覚記憶には異常は見られなかった。ところが、報酬(エサ)と嫌いな匂い(天敵臭)との関連学習を行った際、野生型マウスは天敵臭を嫌がりエサを食べないのに対し、ニューロン新生を阻害したマウスではエサを食べに行く食べに行く行動を示した。また、ニューロン新生を阻害したマウスでは、交尾行動や妊娠の維持、子育てなど、性特異的行動に異常が見られた。以上の結果より、成体脳ニューロン新生は先天的な嗅覚応答に必要であることが明らかとなった。 これまで用いた系では、ニューロン新生は、嗅球だけではなく、海馬でも阻害されている。従って上記に見られた行動異常は、嗅球によるものか、海馬によるものか、正確な議論ができなかった。そ,こで、Cre/LoxPシステムとFlp/FRTシステムを応用して、嗅球の新生ニューロン特異的に破傷風毒素を発現させ、ニューロンの活動を阻害した遺伝子改変マウスの作製・解析をおこなった。組織解析において、海馬の新生ニューロンは正常で、嗅球の新生ニューロンだけが阻害されていることを確認した。今後はこれらマウスを用いて、行動解析をおこなう予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
申請書に記載した研究目的を達成し、研究内容について論文としてまとめることができた。これら成果は論文として受理され、国内外のメディアにも取り上げられた。さらに、より詳細な解析をおこなうために必要な遺伝子改変マウスの作製にも成功した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は新たに作製した遺伝子改変マウスを用いて嗅覚依存的な行動解析をおこなう。
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