研究課題/領域番号 |
10J04967
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
科学社会学・科学技術史
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
友澤 悠季 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 公害 / 環境問題 / 住民運動/市民運動 / 社会運動 / 環境思想 / 社会学 / 科学・技術史 / 戦後史 / 住民運動 / 市民運動 / 科学技術社会論 / 高度経済成長 / 高度経済成長期 |
研究概要 |
本研究の目的は、「公害」および「環境」概念の歴史的な生成と展開のプロセスに働いた論理と力学を解明することである。これまで戦後日本の環境問題史は、〈「公害」から「環境」へ〉という概念の転換によって捉えられてきた。「環境」概念に対しては、「被害者」対「加害者」の対立構図をのりこえ、より複雑多様な問題を議論できるという点で積極的評価が与えられてきた一方、「公害」概念には、「企業対住民」といった素朴な二項対立でしか事件・問題を整理できないものといいう消極的な位置づけにとどまってきた。 だが、本研究の結果、(1)「公害」「環境」概念の歴史的生成における、1970年および1989年という画期の存在、(2)「環境」概念は、国内外における政治経済社会的状況の流動の結果外挿された経緯をもち、その結果、地域社会固有の文脈で深められようとしていた「公害」概念をめぐる議論が強制的に閉じられたこと、(3)一方で、公害反対運動の当事者やそれを支えようとした研究者らの内面においては、「公害」概念を触媒とした思想的深化は連綿と続けられてきたことが明らかになった。 本研究が考察の対象とした1960~70年代における各地の公害反対運動は、生業を脅かす企業や行政へ異議を申し立てるだけでなく、「公害」概念を自在に「再解釈」しながら、近代化出発時から社会が抱え込んだ差別的構造を根本から問い直そうとしていた。その背後には、単なる「公害(反対)」「環境(保全)」などの文言では語りつくせない、高度経済成長という嵐の中での個々人の生の選択という根本的な事柄が介在していたことが重要である。 各分野における「環境」関連学が、この地平にこそ原点を持つことを踏まえ、「公害」概念を、単なる「環境」の部分概念とみなす思考をいったん捨て、現在への連続性の中で捉えなおすことが今後の課題である。
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