研究課題/領域番号 |
10J05165
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 京都大学 (2012) 東京医科歯科大学 (2010-2011) |
研究代表者 |
高橋 治子 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2012年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | ナノゲル / 酵素合成グリコーゲン / ドラッグデリバリー / 人工分子シャペロン / 多糖 / DDS / 酵素合成グリコーゲン(ESG) / 疎水化多糖ナノゲル / ドラッグデリバリーシステム(DDS) / 経鼻粘膜ワクチン |
研究概要 |
本研究は、日本発の新規多糖である酵素合成グリコーゲン(多糖ナノボール)を用いた新規機能性ゲルマテリアルの開発と応用を目的としている。最終年度である本年度は、昨年度までに調製・評価を進めてきた疎水化多糖ナノボールとその誘導体のDDSキャリアや人工分子シャペロンへの応用について、さらなる検討および成果の報告を行った。カチオン性の官能基としてジエチルエチレンジアミンを修飾したカチオン性コレステリル基置換多糖ナノボールは、複合化したタンパク質の熱変性を顕著に抑制し、タンパク質の安定化効果を有することを見出した。さらに複合体を細胞培養液へ添加することにより、複合化したタンパク質を市販のキャリアに匹敵するほど効率的に細胞内へ導入し得ることを確認し、タンパク質キャリアとして有用であることを明らかとした。この研究成果については、現在Biomaterials Science誌にリバイス論文投稿中である。また、様々な長さの長鎖アルキル基を置換した疎水化多糖ナノボール誘導体は、分子間の会合が抑制され1分子として存在し得る、1分子多糖ナノボールナノゲルである。 この誘導体を用いてウシ炭酸脱水素酵素の熱変性に対する人工分子シャペロン機能を検討したところ、疎水性基の包接機能を有するシクロデキストリンの添加を必要とせず、1分子多糖ナノボールナノゲル単独で人工分子シャペロン機能を持つことを見出した。これはこれまで報告してきた疎水化多糖ナノゲルの人工分子シャペロン機能とは異なる新たなシャペロンとして非常に興味深い知見であり、現在投稿論文執筆中である。以上のように、これまでに調製・評価を行ってきた誘導体について、それぞれの特性と機能をまとめ、新規機能性ゲルマテリアルとしてそれぞれに適した最も有効な利用法を提案し、成果を報告できた。
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