研究課題/領域番号 |
10J05170
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田中 和之 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2012年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | ワルファリン / VKOR / 野生ラット / 薬剤耐性 / 系統地理的解析 / 血液凝固時間 |
研究概要 |
2012年度も継続的にサンプリングを行い、280頭を超える野生ネズミの死体サンプルの獲得に成功した。この一部において、尾よりゲノムDNAの抽出を行い、VKORC1遺伝子のシークエンス解析を行ったところ、VKORC1に変異を持つ個体は複数確認されたが、その変異パターンは全て本研究において過去に確認されたもので、新規の変異パターンは確認されなかった。またヨーロッパにおける抵抗性個体の持つ139番アミノ酸に変異を持つ個体も確認されなかった。 しかし、殺鼠剤抵抗性個体の分布領域の拡大が考えられたため、VKORC1の解析が行われている個体群を用いて日本における野生ネズミの系統地理的解析を行い、これとVKORC1の変異パターンとの関連性について検討した。この解析では特に、抵抗性個体で見られる41番アミノ酸のアラニンがバリンに変異している個体群に着目して解析を進めた。 尾より抽出したゲノムDNAを用いて、AFLP(Amplified Fragment Length Polymorphism)解析を行い、この情報をもとに系統地理的解析を行った。その結果、ドブネズミ(R. norvegicus)はクマネズミ(R. rattus)と完全に分かれたクレードを形成し、同じクレード内で混在することはなかった。しかし、同時に、クマネズミ個体においては2つの分集団が確認されたが、いずれもVKORC1の変異パターンや地理的な観点において明確な意味を持つcladeを形成するものではなかった。このことから、Ala41Va1の変異個体に関してVKORC1遺伝子の変異獲得について主要となる由来はなく、変異獲得の起源は複数存在していることが示唆された。
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