研究課題/領域番号 |
10J05524
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
君嶋 泰明 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2012年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2011年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2010年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | ハイデガー / 現象学 / 憂慮 / アリストテレス / 存在論 / 初期フライブルク期 / 否定 |
研究概要 |
前年度に引き続き、本研究の当初の目的であった近年の「心の哲学」の議論との接続を性急にはかる前に、ハイデガーの哲学にたいする確固とした理解を得ることが肝要との認識から、主著『存在と時間』に至るまでの彼の試行錯誤の過程を辿り直し、彼の哲学をいわばその内側から、より良く理解するということに専念してきたが、本年度に至り、その作業にもようやく完成の目処が立った。 前年度までの研究は、この時期のハイデガーの哲学が持ついくつかの特徴を明らかにした一方で、それらを包括的・統一的に捉える視点を欠いたものであった。しかし本年度においては、この時期の彼の歩みを貫くある一つの筋道が見いだされ、それを軸とした初期ハイデガーの全体像の解明が、明確な目標として設定された。その核となる二つのアイデアのうち、一つは今年の3月に発表済みであり(「実存思想協会」における発表)、もう一つは5月に発表する予定である(「日本哲学会」における発表)。まず前者の発表では、ハイデガーは師フッサールの「現象学」を受容するさいにすでに、『存在と時間』の核心をなす「憂慮」としての人間観を抱いていたということを明らかにした。次に後者の発表では、この時期のハイデガーにとって、この「憂慮」としての人間観は、アリストテレスに由来し後の哲学の歴史を規定していくことになる、ある転倒した人間観にたいする批判という意味合いを持っていた、ということを示す予定である。そしてこうした「憂慮」としての人間観と、アリストテレス解釈との連関が発展していったところに、『存在と時間』が成立するということが、上述した筋道の概要である。
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