研究課題/領域番号 |
10J05563
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
スポーツ科学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
水口 暢章 早稲田大学, スポーツ科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 運動イメージ / 体性感覚 / 皮質脊髄路 / 経頭蓋磁気刺激 / 運動誘発電位 / 皮膚感覚 / 体性運動 |
研究概要 |
運動イメージ形成は体性感覚情報の影響を受けることを報告されている。今年度は、反対側からの体性感覚入力が運動イメージ形成に及ぼす影響を、皮質脊髄路の興奮性を調べることで検討した。皮質脊髄路の興奮性は経頭蓋磁気刺激によって誘発される運動誘発電位の振幅とした。運動誘発電位は第一背側骨間筋から記録した。右手でボールを握る動作のイメージを、右手でボールに触れる条件、左手でボールに触れる条件、何も触れない条件で行った。その結果、右手でボールに触れてイメージを行った条件の運動誘発電位の振幅は他の2条件と比較して有意に大きかった。左手でボールに触れてイメージを行った条件と何も触れずにイメージを行った条件の運動誘発電位に差はなかった。また、同様の3条件を左手でボールを握るイメージを行いながら行った。左手でボールに触れてイメージを行った条件の運動誘発電位の振幅は他の2条件と比較して有意に大きかった。これらの結果は、イメージする手に対して体性感覚入力が与えられると運動イメージ中の皮質脊髄路の興奮性を高めるが、反対側の手に与えられた体性感覚入力は運動イメージ中の皮質脊髄路の興奮性に影響しないことが示唆された。さらに、これらの影響は利き手によらないことが明らかとなった。運動イメージ中に体性感覚入力を与えるとイメージトレーニングの効果を高めると考えられるが、反対側に体性感覚を与えてもイメージトレーニングの効果を高めない可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は国際誌に論文が2本受理された。また、別の論文がリバイス中であり、さらに別の論文を投稿準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
運動イメージ研究はリハビリテーションやブレイン・マシン・インターフェイスなどスポーツ科学以外の分野でも研究されており、広く応用が可能である。今後は、体性感覚入力が運動イメージ形成に及ぼすメカニズムをより詳細に明らかにする必要がある。そのためには、医学や工学などの分野と協力して研究を行っていく必要があると考える。
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