研究課題
特別研究員奨励費
フェルミ原子気体のBCS-BECクロスオーバーにおける超流動性と強結合効果および擬ギャップ現象の関係性を明らかにするために、当該年度は1.3次元トラップ系フェルミ原子気体と2.2次元トラップ系フェルミ原子気体の解析を行った。1.3次元トラップ系については、気体の1粒子状態と熱力学量の解析を行った。フェルミ原子気体の超流動相における状態密度とスペクトル強度およびphotoemissionスペクトルの解析と、熱力学量の解析を行った。その結果、実験的には矛盾すると考えられていたphotoemissionスペクトルの測定結果と熱力学量の測定結果が、強結合効果に由来する擬ギャップ現象によって統一的に説明されることを、当該分野で初めて示した。さらに、本内容を論文にまとめ、出版された。2.1の議論を裏付けるために、近年測定された、2次元的にトラップされたフェルミ原子気体の常流動相における1粒子状態とphotoemissionスペクトルの解析を行った。2次元系においては、強結合揺らぎの影響が、3次元系と比較して強くなり、より高温から顕著な擬ギャップ現象が生じることを示した。さらに、測定されたphotoemissionスペクトルを解析することによって、強結合効果とそれによる擬ギャップ現象によって定量的に説明されることを示した。この内容に関し、フランスとイギリスで行われた2回の国際会議と、横浜国立大学で行われた日本物理学会において成果報告を行った。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件) 学会発表 (15件)
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