研究概要 |
研究目的は体上の有限次元自己入射多元環上の加群の安定圏を,異なる多元環上の加群圏の導来圏として実現する事である.4をN次数付き自己入射多元環とする.前年度にZ次数付きA加群の安定圏が異なる多元環上の加群圏の導来圏と三角圏同値になる必要十分条件は,Aの零次部分環の大域次元が有限である事を示した. 本年度は上記の応用として次を示した.自然数lに対して,自然な次数の付け替えによりAを,Z/lZ次数付き多元環と見る.これに即してZ/lZ次数付きA加群の安定圏mod^<z/lz>Aを考える.このときAがGorensteinパラメータlを持てば,mod^<z/lz>Aが導来軌道圏と三角圏同値になる事を示した. この次数の付け替えにより現れる安定圏と導来軌道圏との三角圏同値は,最近研究され始めた新しい種類の三角圏同値である.今後は上記結果の発展及び関連分野への応用が期待される.
|