研究課題/領域番号 |
10J05944
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
気象・海洋物理・陸水学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森岡 優志 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | インド洋亜熱帯ダイポール / マスカリン高気圧 / 南極周極波動 / 南極振動 / 亜熱帯ダイポールモード / 混合層 / アフリカ南部の降水 |
研究概要 |
アフリカ南部の降水は、南インド洋と南大西洋における海面水温の経年変動に影響を受ける。この変動は、海盆の北東部と南西部に海面水温偏差の極を伴い、亜熱帯ダイポールモードと呼ばれる。 亜熱帯ダイポールモードの成長機構に関してこれまで研究を行ったところ、亜熱帯高気圧の南下と強化により生じた混合層厚の変動が、亜熱帯ダイポールモードの成長に重要な役割をすることが分かった。しかし、亜熱帯高気圧の変動の原因についてはいまだ明らかにされてない。 そこで、大気海洋結合モデルを用いて実験を行い、亜熱帯ダイポールモードを発生させる亜熱帯高気圧の変動の原因について調べた。南インド洋以外の海面水温をモデルの月平均値に置き換えて大気と結合させて実験を行ったところ、2つのタイプのインド洋亜熱帯ダイポールが発生した。一つは、中緯度の高度場偏差に波数4の構造を伴い、南半球の気候変動モードである南極周極波動との関係が示唆された。また、もう一つは、中緯度と高緯度で異なる符号の高度場偏差をもつ南極振動との関係が示唆された。これらの結果は、南半球の気候変動モードが亜熱帯高気圧の変動をもたらし、インド洋亜熱帯ダイポールを発生させることを表している。 しかし、モデルの標準実験に比べ、インド洋亜熱帯ダイポールの発生頻度が少なくなった。上記の実験では、南インド洋以外の大気と海洋の相互作用(例えばエルニーニョ/南方振動)に伴う大気のテレコネクションが抑えられているため、これらも亜熱帯高気圧の変動に関わっていることが示唆される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、亜熱帯ダイポールモードの発生をもたらす亜熱帯高気圧の変動の原因を明らかにすることができた。これにより、当初の計画である亜熱帯ダイポールモードの発生、成長、減衰の過程を理解することができた。
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今後の研究の推進方策 |
熱帯域の気候変動モードであるエルニーニョ/南方振動やインド洋ダイポールの発生に亜熱帯ダイポールモードが関わっているという研究報告がある。しかし、定量的には調べられておらず、その実態は未だ明らかでない。そこで、大気海洋結合モデルを用いて実験を行い、亜熱帯ダイポールモードが熱帯域の気候変動モードの発生頻度や振幅に与える影響を調べていきたい。
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