研究課題/領域番号 |
10J06634
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
特別支援教育
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高須 奈々 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2010 – 2012
|
研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
|
配分額 *注記 |
3,489千円 (直接経費: 3,489千円)
2013年度: 689千円 (直接経費: 689千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2011年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2010年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 広汎性発達障害 / ひきこもり / 社会不適応 / 睡眠・覚醒リズム障害 / 睡眠習慣 / 規則正しい生活 / 睡眠覚醒リズム異常 |
研究概要 |
本研究課題では、これまでに規則正しい生活がヒトの自律神経系に作用し主観的生活感が向上することを明らかにしてきた(Takasu & Toichi 2012 Sleep Biol Rhythms)。そこで、今年度は「規則正しい生活」が中枢神経系に作用する神経回路基盤を明らかにするため、実験動物を用いた神経科学的アプローチを行った。 哺乳類では視床下部・視交叉上核に体内時計中枢が局在しており、液性及び神経性シグナルを介して、中枢神経系、心臓、筋肉、肺、血球といった全身の器官、組織、細胞で認められる生理機能リズムから遺伝子発現リズムに至るまで、各階層に概日リズムのタイミングを制御している。視交叉上核は網膜で受容された光入力を興奮性入力として受容し、体内時計時刻に依存した視神経入力は、視交叉上核概日リズムの重要な同調因子として作用する。 「規則正しい生活」は生体における概日リズムの神経基盤に作用して生理機能を調節するとの作業仮説に基づいて、遺伝子改変が容易なマウスをモデル動物として用い、視交叉上核神経活動リズムを測定する実験系を確立した。(Takasu et al. 2013 PLOS ONE)。この実験系の特徴は、個体行動を計測しながら視交叉上核神経活動を記録できる、すなわち日常生活における体内時計動態を把握することができる点である。さらに「不規則な生活」を実験タスクとして再現することにより、体内時計神経回路の撹乱を明らかにすることができる。これまで制約の多いヒトを対象として行ってきた実験から得られた仮説を、神経回路レベルに落とし込んで検証することが可能になった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでにヒトを対象とした研究から得られた作業仮説をより基礎的な側面から検証することが可能になる動物実験系を確立できた。また、ヒトのリズム障害をモデルとした「杜会的時差ボケ」の動物実験プロトコールを確立した。
|
今後の研究の推進方策 |
今後、実験動物を対象としたin vivo測定系を用い社会的時差ボケ時の視交叉上核概日リズム出力のダイナミクスを明らかにし、生理機能における概日リズム撹乱の神経回路基盤を理解する。さらに概日リズム制御系から、睡眠覚醒リズム異常の病態改善を図り、ヒトの最適な生活環境を提唱することを目標とする。
|