研究課題/領域番号 |
10J06649
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 翔太 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2012年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | SiC / フォトニック結晶 / ナノ共振器 / 光波混合 / 可視光 / 二光子吸収 |
研究概要 |
昨年度までの研究において、'新たなワイドバンドギャップ材料SiCを用いたフォトニック結晶共振器がハイパワー応用あるいは可視光領域へ応用可能であることを示してきた。一方で、SiCは比較的大きな二次の非線形係数をもつことが知られており、共振器内に高エネルギーの光を閉じ込めることが可能なことから、二次の非線形現象の一種である第二高調波発生などの光波混合が顕著に現れると期待される。さらにSiCは可視領域においても透明であり、光波混合による波長変換後の光をも吸収なく扱えるため、高効率な波長変換素子として利用可能であると期待できる。しかしながら、ナノ共振器において光波混合を実証する上で、設計・作製の最適化が必要であり、かつ本研究室において前例がないため、その評価法なども新たに確立しなければならなかった。そこでまず、第二高調波発生の観測に向けたフォトニック結晶の設計・作製の最適化を行った。第二高調波発生などの非線形現象は、一般にフォトニック結晶共振器のQ値が高ければ高いほど、効率よく得られることが知られている。そのため、設計・作製の両面において、SiCフォトニック結晶共振器のg値を向上させた。続いて、第二高調波発生の観測のため、入力光となる赤外光領域の光と、発生する可視光領域の高調波を同時に扱える測定手法を確立した。また発生した高調波に関して、入射強度依存性や効率、偏光特性、放射パターン等についても調べ、FDTD法を用いた計算により理論的に考察を加えた。最後に発展として、SiCフォトニック結晶共振器の複数の共振モードを利用することで、その和周波発生をも観測することに成功した。以上の結果は、間接遷移型半導体であるSiCに対して、波長変換などのアクティブ機能も付与可能であることを示す結果であり、その学術的な重要性は高いと言える。
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