研究課題/領域番号 |
10J06814
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
工藤 慎治 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 大気観測 / 超微小粒子 / 微小粒子 / 成分分析 / 道路近傍大気 / 固定発生源 / 二次生成粒子 / 移動発生源 |
研究概要 |
本研究は、健康影響が懸念されている大気中の超微小粒子(粒径0.1μm以下の粒子;以降UFPと表記)の捕集ならびに成分分析により、UFPの大気挙動を明らかにするものである。発生源近傍にてUFPとわが国において新しく環境基準として導入されたPM_<2.5>(粒径2.5μm以下の粒子)の観測を行うことでUFPとPM_<2.5>の粒子組成の差異の確認および発生過程の分類を行った。観測地点は、UFPの主要な発生源として考えられている自動車排ガス影響のある道路近傍大気(日本およびドイツ)、ならびにバイオマス燃焼を利用した工場の近傍大気をそれぞれ選定した。道路環境の明らかに異なる日本およびドイツで観測を行った結果、それぞれの地点においてUFPとPM_<2.5>で粒子組成が異なることが明らかとなった。また、両粒径において二次生成粒子の影響が確認され、イオン成分が二次粒子を形成する手段として炭素成分の粒子を利用し、不均一核形成により粒子成長する可能性が示唆された。日本の道路近傍大気に関して発生源因子の解析(PMF解析)を行ったところ、UFPおよびPM2.5でともに似たような発生源因子が抽出されたが、各因子中の成分の寄与割合は両粒径で異なり、それぞれ発生過程が異なることが考えられる。タイの観測においてはバイオマス燃焼の指標成分であるカリウムイオンが両粒径で検出され、発生源の違いにより粒子組成が異なることが確認できた。両粒径の成分については、主要成分の組成割合について差異が見られないものの、揮発温度別有機炭素成分には違いが見られ、粒径により成分の排出過程が異なることが示唆された。これらの結果より、今後、大気中の粒子状物質を評価する際に、きちんと粒径を分けて議論する必要があるといえる。また、室内実験にてトルエンの光酸化によるUFPの成長挙動の調査を行ったが、既存粒子(金ナノ粒子)や室内光(蛍光灯+UVランプ)条件下において、粒子生成が増加する傾向が得られた。
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