研究課題/領域番号 |
10J07049
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
知覚情報処理・知能ロボティクス
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研究機関 | 公立大学法人北九州市立大学 |
研究代表者 |
神納 貴生 公立大学法人北九州市立大学, 大学院・国際環境工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 高ダイナミックレンジ画像 / 多重露光画像の統合 / トーンマッピング / 圧縮符号化 / HDR画像符号化 |
研究概要 |
【多重露光画像の統合による高ダイナミックレンジ(HDR)画像の生成】 カメラレスポンスカーブ(CRC)推定と動き補正をCRCが収束するまで繰り返して正確なCRCを算出し,それによりカメラキャリブレーションを行った上で高精細なHDR画像を生成する.これにより動きを含んだ多重露光画像からより高精細なHDR画像を生成する手法を実現し,IEEEのTIPに論文が採録されることとなった.この手法により市販の比較的安価なカメラを使ってユーザが簡単にHDRIを生成することが出来る. 【HDR画像符号化】 多重ビット深度表現の実現とそれを用いた多重符号化:多重ビット深度を実現する上でネックとなるのは低ビット深度画像での詳細損失である,本手法では量子化前に詳細を強調することで,低ビット深度画像でも損失の少ない多重ビット深度表現を実現し,それを多重符号化へ適用した.これが実現されたことで,より低ビット深度な表示方式や通信方式においても高ダイナミックレンジ画像を取り扱うことが可能となった.具体的な応用分野としては,電子ペーパーやFAXなどである. 逆処理可能な局所トーンマッピングを用いた多層HDR符号化:符号化効率の良いサイド情報を用いて逆処理可能なトーンマッピング手法により符号化効率の良い二層符号化を実現し,また二種類のトーンマッピングにより復号器で効果を選択できる三層符号化についても実現した.本手法は詳細強調したトーンマッピングの適用に対して有効なため,HDR画像の詳細を必要とする分野に対して非常に有効となる. 高コントラスト・トーンマッピングとそれを用いた二層符号化:多重スケールコントラスト強調を用いた逆処理可能な高コントラスト・トーンマッピングを実現し,符号化効率の低下を抑えた上で詳細の視認性を非常に高めた.本手法は特に遠隔地におけるカメラ映像の監視に対して非常に有効となる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的で示した「高ダイナミックレンジ画像の取得及び符号化」については十分な成果を出せていると考える.まず,HDR画像の取得についてはシーンに寄らない高精細なHDR画像の生成を実現し,IEEEのTIPに論文が採録されるなど,国内外において注目される実績を出している.また,符号化についても去年度で和文論文1本,国際会議2本,国内学会3本の実績を出しており,当初に計画したとおり順調に進展していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,HDR画像の多層符号化についてさらに研究を進めると共に,動画の多層符号化についても研究を進める.HDR画像の多層符号化においては,層を増やすごとに第二層以降のサイド情報が増加する問題を解決するために,前層のサイド情報から次層のサイド情報を予測することを考える.また,符号化側でトーンマッピング効果を切り替えることのできる多層符号化についても検討していく予定である.動画への多層符号化の適用については,車載カメラや監視カメラへの応用を考え,撮影シーン内の詳細情報の視認性とは別に,対象の物体などに対してローカルな視認性向上を行うことのできる多重符号化を実現したいと考える.
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