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カゴ型シルセスキオキサンを用いた分子性レジスト材料の展開

研究課題

研究課題/領域番号 10J07104
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 高分子・繊維材料
研究機関東京工業大学

研究代表者

石田 良仁  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2010 – 2012
研究課題ステータス 完了 (2011年度)
配分額 *注記
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワードカゴ型シルセスキオキサン / 分子性レジスト / 自己組織化 / 酸素プラズマエッチング / 結晶化
研究概要

本研究では、次世代の10nm以下の微細加工技術開発の一環として、かご形シルセスキオキサン(POSS)に長鎖アルキルが結合した自己組織化分子の合成を行い、得られた分子の熱的性質及びナノ構造について明らかにした。自己組織化分子としてPOSS分子の個数と長鎖アルキル鎖の本数がそれぞれ1:1(1)、2:4となる分子(2)を設計し、合成を行った。得られた化合物の構造解析は核磁気共鳴(NMR)、赤外吸収(IR)スペクトルにより行った。化合物の熱的性質を明らかにするために、示差走査熱量計(DSC)測定を行ったところ、自己組織化分子の一次構造に基づき、異なる融点および結晶化温度を示した。次に得られた化合物のバルクサンプル内部に形成される自己組織化構造について明らかにするために、化合物の熱処理を行い、得られたサンプルの広角(WAXS)および小角X線散乱(SAXS)測定を行った。その結果、WAXS散乱曲線からは明確なPOSSの結晶構造に由来するピークが得られただけでなく、小角領域においてPOSS結晶とは異なる4.9nm(1)、3.4nm(2)の周期構造に基づくピークが見られた。更に詳細な構造解析を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて行ったところ、周期約5.0nm(1)、3.2nm(2)からなる明確な層状構造の形成が見られた。これらの結果から、得られた化合物の自己組織化構造はバルクにおいてPOSS結晶ドメインとアルキル鎖の結晶ドメインが層状に重なった秩序構造から形成されていることが明らかとなった。
以上のように、本研究では当初の目的通りに、POSSを基盤材料とした10nm以下の周期構造を形成する新規自己組織化材料の作製および一次構造の制御に基づく自己組織化構造の制御に成功した。今後、薄膜内部における自己組織化構造の配向制御およびドライエッチング処理を行うことでナノ構造の基板への転写が可能になると考えられ、解像度の問題が顕在化しているフォトリソグラフィー法に代わる新規微細加工技術の開発を促進させることができると思われる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初目的としていた、一次構造が異なる自己組織化分子の合成によるバルク中における分子の自己組織化構造の制御に成功した。薄膜内部において含有自己組織化分子を配列させる予備的な実験においては微小角X線散乱測定(GIXRD)により、自己組織化構造が配向している結果が得られた。このことから、成膜条件、アニーリング条件を検討することにより薄膜内部の自己組織化構造制御も達成される可能性が高い。

今後の研究の推進方策

今後は薄膜内部の自己組織化構造の制御に重点を置いて研究を行う。基板の表面を有機ポリマーで処理する技術を駆使することにより、基板を自己組織化分子間の界面自由エネルギーを制御し、自己組織化分子の配向制御を行う。その際に、表面処理に用いるポリマーや自己組織化構造の創出を促す熱アニーリングの温度および時間条件を精密に制御することにより、明確なナノ構造創出を目指す。さらに、得られた構造に対して酸素プラズマエッチングなどのドライエッチングを行うことで、得られたナノ構造をエッチングマスクとし、基板へ構造を転写することを目指す。

報告書

(2件)
  • 2011 実績報告書
  • 2010 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 長鎖アルキル末端にかご形シルセスキオキサンを有する結晶性ポリマーの自己組織化構造2011

    • 著者名/発表者名
      石田良仁、柿本雅明、早川晃鏡
    • 学会等名
      第60回高分子討論会
    • 発表場所
      大阪国際会議場
    • 年月日
      2011-05-26
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [学会発表] 長鎖アルキル末端にカゴ形シルセスキオキサンを有するブロック共重合体薄膜の熱アニーリングによる構造制御2010

    • 著者名/発表者名
      石田良仁、柿本雅明、早川晃鏡
    • 学会等名
      第59回高分子討論会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2010-09-15
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書

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公開日: 2010-12-03   更新日: 2024-03-26  

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