研究課題/領域番号 |
10J07194
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
瀧田 健介 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2011年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 理論言語学 / 比較統語論 / 省略現象 / 間接疑問文縮約 / 態の不一致 / 右方転移 / 統語的・意味的同一性 / 理言言語学 / 項削除 |
研究概要 |
平成23年度は、前年度の成果を踏まえその発展及び検証を行った。まず省略現象を理論的にとらえる道具立てである論理部門におけるコピーと音韻部門における削除に関して、間接疑問文縮約における態の不一致に関する日英語の比較を通じてその両方が文法の中でどのように位置づけられるべきかということを論じた。より具体的には、日英語の相違から両方の仕組みが必要であるという結論が導かれることを示した。この成果は第66回日本英文学会東北支部大会のシンポジウムにおいて発表され、また学会議事録へ投稿する論文として準備中である。また、省略の認可条件の一つである同一性という概念についてそれが統語的に定義されるべきかあるいは意味的に定義されるべきかという問題に関して、先行節包含型間接疑問文縮約における態の不一致をドイツ語、ロシア語の資料を元に検討した。その結果、従来意味的同一性を支持するとされてきた当該の構文では説明できない事実が発見され、代替案を提案することによってむしろ統語的同一性を支持することになるということを論じた。この成果は国際専門誌に投稿・査読中である。また、移動現象と省略現象の接点として、日本語の右方転移構文を詳細に検討し、省略を必要とする場合としない場合があることを論じた。さらに、省略を必要としない場合の基底構造はイタリア語やブルガリア語、ドイツ語といった様々な語族に属する言語に見られるぶら下がり話題構文と緊密な対応関係があることを論じた。これらの成果は国際学術雑誌に論文として投稿・査読中である。さらに、省略を受けた部分からどのような要素が抜き出されうるかという理論的問題について、前年度までの成果の一つである動詞残留型間接疑問文縮約および新たなデータに基づき、句と主要部という非対称性があるという一般化を提案し、さらにそれがどのように理論的に捉えられうるかという点に関しても新たな提案を行った。
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