研究課題/領域番号 |
10J07500
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
機能物質化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 貴志 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2012年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 両親媒性分子 / 歯車状分子 / ホスト・ゲスト化学 / 疎水効果 / 自己集合 / 超分子金属錯体 / ポルフィリン / 2,2'-ビピリジル / 超分子化学 |
研究概要 |
歯車状両親媒性分子から疎水効果により形成する超分子カプセルの外部修飾による機能化を目指し研究を遂行した。具体的には、歯車状両親媒性分子のピリジニウム基のN原子上に3-ブチン-1-イル基を導入した分子を新規に設計して会合体形成を試みた。その結果、一義的な構造を有する水溶性四量体カプセルが形成し、溶液中における側鎖の三次元精密配列が達成された。今後、末端アルキンに対する機能性部位の導入、および多点での協同的分子認識を利用した外部刺激への選択的応答など、さらなる研究の展開が期待できる。 さらに、歯車という形状特性が作り出す分子集合体の性質・機能に関する知見をさらに発展・一般化させることを目的として研究を展開した。具体的には、四つの2,2'-ビピリジル基を亜鉛ポルフィリン環のメソ位に直接結合したC4対称歯車状配位子をビルディングブロックとし、金属イオンとの配位駆動自己集合を用いて、新規な超分子モチーフ、さらには構造構築のための新たな概念の創出を目指した。研究の結果、金属イオンの特性を生かし、かご型六量体亜鉛錯体、バレル型四量体亜鉛錯体、サンドイッチ型二量体銀錯体など、多様なポルフィリン超分子構造を構築することに成功した。特に亜鉛イオンを利用した自己集合においては、異なる金属中心を一つの構造中に有する非対称な金属錯体を、一種類の配位部位からなるC4対称歯車状配位子を用いて実現した。複雑かつ一義的な構造の構築を達成したのは以下の三つの戦略による。すなわち、1)複数の配位構造を誘起するバランスの良い錯体形成条件、2)適度な配位力を持った溶媒や対アニオンの置換活性なキャップ配位子としての利用、3)剛直な歯車状配位子骨格による金属中心間の相対位置の規定、である。本研究で達成した上述の自己集合手法は、複雑で精巧な分子システムの設計・構築に新たな方向性を与えるものである。
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