研究課題/領域番号 |
10J07555
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理(実験)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
林 克洋 広島大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2012年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 宇宙線スペクトル / Fermi衛星 / ガンマ線 / シリコン検出器 / ASTRO-H衛星 / Fermi衛生 / 放射線 / 方向依存性 |
研究概要 |
宇宙空間を高速で飛来する荷電粒子"宇宙線"は、星間物質と衝突することによってγ線を放射する。このγ線を観測することで、その場の宇宙線のエネルギーや空間分布を明らかにすることができる。私は最新鋭のγ線観測衛星Fermiの能力を駆使することで、太陽系近傍の分子雲からのγ線を測定し、近傍の宇宙線スペクトルやその空間分布を初めて明らかにすることを目標にしている。その中でも、比較的質量の小さいカメレオン座分子雲と南の冠座分子雲および、ケフェウス・ポラリス分子雲に着目してきた。このような広がった放射は、個々のγ線天体からの放射以外にも、宇宙線電子と星間光子による逆コンプトン散乱や、検出器および銀河系外天体からの一様な放射などのバックグラウンドが加わる上、それらのモデルによる不定性が発生する。その中でも私は丹念に正確な解析と系統誤差の評価を行い、Fermi衛星チームのコラボレーションミーティングやネットワーク上での会議を重ね、最終的に太陽系近傍領域における宇宙線スペクトルの形は類似していること、一方で宇宙線密度には20%程度の違いがみられていることを結論づけた。宇宙線の加速起源として有力候補である超新星残骸は、時間的・空間的に非均一に生じるものであり、このような不均一性が生じる可能性は否定できない。あるいは、こうした構造がグールドベルトなどの太陽系近傍の特徴的な構造と関連している可能性もあり、今後他の領域の解析や理論的考察との照らし合わせが求められる。これらの結果については、下記査読付き論文に掲載し、物理学会や3つの国際シンポジウムで講演・ポスター発表を行うなど、積極的に対外的アピールを行った。現在は、Fermi衛星のさらに蓄積された統計データと、さらに最適化された応答関数を使って、一つの分子雲内部の研究を進めており、小さなスケールにおける宇宙線についての考察を行っている。 一方で私は次期X線天文衛星ASTRO-Hに搭載されるシリコン検出器の開発も行ってきた。特に昨年度行ったシリコン検出器の放射線耐性について論文化し、下記査読付き論文に掲載された。また当衛星で観測すべき銀河団について、国際会議でポスター発表するなどの活動も行った。
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