研究課題
特別研究員奨励費
平成23年度の研究活動は、地理空間情報の社会における活用に関する事例調査と空間分析を行い、その成果を国内および海外の学会で発表し、学術雑誌への投稿を行った。日本国内を対象とする調査活動は、地域安全活動への地理空間情報およびWebマップ活用を中心に研究を実施し、その成果をRGS-IBG2011にて発表した。また、過年度より継続して分析活動を行なってきた京町家GISデータベースに関する空間分析は、国内の学術雑誌への投稿と海外の論文集への寄稿を行った。両者の分析にあたっては、定量的分析とともに定性的分析も行った。地理空間情報の社会活用に関しては、英語圏における研究動向を参照し、近年の地理情報科学の大きな潮流ともなっている「ネオ地理学」と「ボランタリーな地理空間情報」に関する研究についての調査を実施した。前者については、Webマッピングツールによる地理空間情報の視覚化・情報共有に関する研究を行い、汎用的なサービスを用いて実際にサービス(『亀岡市篠町の住民がつくるWeb版安心・安全地図』『京都市明細図オーバーレイマップ』)を実装するとともに、これらWebマップを活用した実証研究を実施した。後者については、ユーザー参加型の地図作成プロジェクトであるOpenStreetMapに関する事例研究に着手し、ユーザーによって投稿された地理空間情報の時空間的な遷移について定量的に集計したほか、情報の妥当性についても検証を行った。また情報共有過程についても、OpenStreetMapの組織的・制度的側面からのアプローチに基づき整理を行った。上記の実証研究で得られたデータと成果は、地理空間情報の社会活用のあり方として考察を加えるとともに、地理空間情報科学や既存の地理学、さらには周辺領域での基礎的資料としての活用を意図した情報共有手法を確立した。
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すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (12件) 図書 (2件) 備考 (1件)
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