研究課題/領域番号 |
10J08395
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理(実験)
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
瀬田 裕美 埼玉大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | X線観測 / すざく衛星 / 活動銀河核 / ジェット / ローブ / ASTRO-H衛星 / X線マイクロカロリメータ |
研究概要 |
1.昨年度に引きつづき、活動銀河核ジェットの噴出エネルギーの溜まり場であるローブに注目し、X線天文衛星「すざく」を用いた観測的研究を行った。近傍の明るい電波ローブろ座Aの、すざく衛星の300ksにおよぶローブのマッピング観測データを用い、ローブ内の放射の空間分布を測定した。低バックグラウンドのすざく衛星によって、暗く広がったローブからの放射を検出することに成功した。これまで、ろ座Aのローブ周辺からは、ローブの一般的な放射である非熱的放射と、起源のよくわかっていない温度0.8keV相当の熱的放射が捕えられていた。そこで、この熱的放射の起源を明らかにするため、空間分布を調べてみると、その熱的放射がローブに付随して存在していることが初めてわかった。これは、一般的なローブ天体にとっても、熱的放射の検出は初めてである。さらに、それぞれの放射のエネルギー密度を測定してみると、新たに発見した熱的放射のエネルギーは、これまで得られていた非熱的放射のエネルギーに匹敵する大きさをもつことが初めてわかった。これらの成果は、博士論文としてまとめ(Seta 2012)、学会発表を行った。 2.装置開発においては、次期X線天文衛星ASTRO-H衛星に搭載されるマイクロカロリメータのデジタル波形処理系の開発をひきつづき行った。これまで我々が設計してきたデジタル波形処理系のアルゴリズムを検証するため、アメリカ担当のセンサの衛星搭載検証機のデータを用い、設計した微分処理をシミュレートした。それによって、光子エネルギー6keVにおいて5eV(FWHM)のエネルギー分解能を達成し、検出器の要求性能を十分満たすことがわかった。これは、衛星搭載機と同等の検証機として初の快挙であり、主著論文として発表した(Seta et al., 2012)。また、この動作実証をした、我々が設計したデジタル波形処理系のアルゴリズムをまとめて、論文に発表した(Shimoda et al., 2012)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究において、活動銀河核から噴出するジェットのエネルギー量において新たな要素である熱的エネルギーを発見した。これをプローブにすることで、ジェットの新たな研究を進めることが出来ると考える。また、装置開発においても、順調にすすんでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今回の結果をもとにして、広がった天体の観測が得意なすざく衛星を使った、他のローブの観測提案書を申請し、観測を行う。系統的にローブの観測を行い、ローブの熱的・非熱的エネルギーを調べる。
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