研究課題/領域番号 |
10J08851
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
柴田 悠 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2011年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2010年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 社会政策 / 所得再分配 / 自殺率 / 出生率 / 経済成長 / 多世代コミュニティ / 世代間ケア / 東アジア / 再帰的近代化 / 親密性 / 友人関係 / コミュニティ |
研究概要 |
まず、1.研究課題「現代社会における他者援助」の公的な典型形態である「所得再分配」(一般政府による公的支出)に関する研究として、(1)所得再分配の規定要因について、歴史社会学的研究と計量社会学的研究を、国内研究会での発表と議論をつうじてさらに精緻化し、ワーキングペーパーと博士論文(2011年7月京都大学大学院人間・環境学研究科受理)にまとめた。また(2)再分配政策の(自殺率・出生率・経済成長に対する)効果についての計量社会学的研究を、国際会議や国内学会での口頭発表と議論をつうじてさらに精緻化し、博士論文(同上)と投稿論文(投稿中)にまとめた(結果の詳細は博士論文などを参照)。 つぎに、2.「現代社会における他者援助」の私的な典型形態である「親密性」に関する研究として、とりわけ今後の日本社会で活性化が必要と考えられる(幼児と高齢者の間の非血縁の世代間ケアが生じうる)「多世代コミュニティ」に着目し、国内先進事例に関する文献調査と現場調査(子育て支援施設と高齢者の居場所を兼ね備えたボランティア運営施設での参与観察とインタビュー)を行い、「多世代コミュニティの活性化条件」に関する理論仮説を得ることができた(その成果は現在、論文として執筆中である)。また、東アジアでの国際的な質問紙調査のマイクロデータ(日本・韓国・中国・台湾・バンコク・ハノイ)を用いて、「親子間ケア」(家事援助と金銭援助)のパターンを統計的に分析し、ベトナム・ハノイでの国際研究会で発表した(成果は論文として執筆中)。 さらに研究計画にはなかった追加的研究として、子どもと高齢者に対する公的援助(ケアサービス)と私的援助(ケア行動)に関して、東アジア諸国(日本・韓国・中国・台湾・シンガポール・タイ・ベトナム)のマクロデータを、海外研究者たちの協力のもとで、先行研究を上回る規模で収集し、集計した(成果は論文として執筆中)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究計画においては、「公的他者援助(社会政策)の効果・規定要因についての計量分析・歴史分析」と「私的他者援助(ケア・コミュニティ)に関する現場調査(質的社会調査)と国際計量分析」のみを行う計画であったが、実際にはそれらに加えて、東アジア諸国での公的・私的援助に関するマクロデータの(先行研究を上回る規模での)収集と集計も、行うことができた(成果は現在、論文として執筆中である)。そのため、研究計画以上の研究を行うことができたため、評価を(1)とした。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題を達成するための、マクロデータやマイクロデータの収集や分析、および、先進事例の現場での質的社会調査については、目的達成のために必要なものをほぼ行うことができた。あとは、それらを論文にまとめて公表する作業と、その作業におけるより精緻な再分析や再解釈を行うことが、今後に残された主な課題であり、すでに現時点で一部取り組み始めている。
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