研究課題/領域番号 |
10J09332
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡島 有規 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 気孔コンダクタンス / 気孔モデル / 光合成CO_2同化速度 / 光合成電子伝達速度 / 酸素分圧 / Rubisco / 環境応答 / 二酸化炭素濃度 / 光合成 / 植物生理生態 |
研究概要 |
『環境に対する気孔の応答を表すモデルにおいてパラメータとして広く用いられている光合成CO_2同化速度(A_n)は、気孔開閉制御に直接的に影響することはない』ということを明らかにした昨年度に続き、本年度は『A_nに代わる気孔モデルパラメータの探索と、既存の経験モデルよりも現象を表現することに優れた気孔モデルの構築』に着手した。 タバコ(Nicotiana tabacum L.)を材料に、飽和水蒸気圧差(VPD ; 0.9kPa)と葉内CO_2濃度(C_i ; 150ppm)を一定に保った状態で光強度や酸素濃度を様々に変え、A_nや気孔コンダクタンスを測定した。C_iが一定の場合、A_n、と気孔コンダクタンスの間に、統計的に有意な関係は見られなかった。一方、同じデータに対して光合成電子伝達速度(J)を算出した所、気孔コンダクタンスとの間に有意な正の相関が得られた(r=0.6^<**>。本研究によって、気孔コンダクタンスの値の決定には、チラコイド膜上での光合成電子伝達速度が強く関わっていて、Rubiscoにおけるカルボキシレーション反応とオキシゲネーション反応の比率は影響しないことが明らかになった。 既存の気孔モデルであるLeuningモデル(1995)やMedlynモデル(2011)をベースとして、A_nをJに、葉表面CO_2濃度(c_s)とCO_2補償点(γ)の差やc_s自体をc_iに置き換えた場合に対して、モデルの妥当性を検討した。C_iが150ppmに固定されているためにモデル中で変数として働かない場合には、A_nではなくJを用いたモデルでのみ有意な正の相関が得られ、その精度は既存のモデルと同程度であった。これらの結果は、気孔の開閉制御に関わる光合成電子伝達鎖中のコンポーネントを明らかにすることが、有用性の高い気孔モデルの構築へと繋がることを示唆している。
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