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アメリカ独立革命の研究-英国国教会、南部植民地、ロイヤリズムの視点から

研究課題

研究課題/領域番号 10J09931
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 西洋史
研究機関東京大学

研究代表者

矢島 宏紀  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2010 – 2011
研究課題ステータス 完了 (2011年度)
配分額 *注記
800千円 (直接経費: 800千円)
2011年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2010年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
キーワードアメリカ:イギリス / 市民革命 / 独立革命 / 保守主義 / 大西洋史 / トランスナショナル / アメリカ / 革命 / 宗教 / 公定教会 / 南部植民地
研究概要

平成23年度も、図書を購入して前年度に引き続き研究動向の整理に努めた。その結果、アメリカ独立革命史研究においてこれまで相対的に低い関心しか寄せられてこなかった先住民や独立反対派(ロイヤリスト)に着目した研究が昨今多数現れていることが分かった。ロイヤリストや英国国教会にも関わる大西洋史の文脈でも最新の研究が多数見られ、私の研究テーマがアメリカにおける研究動向と乖離していないことが確認できた。
昨年以来、南部におけるアメリカ主教派遣問題を中心としたアメリカ植民地と英国国教会の関係を探る論文の執筆を目標としていた。これについては手稿吏料の収集および解読が困難を極めることもあり、残念ながら平成23年度内に成果を発表することは叶わなかった。南部植民地における宗教に着目した研究が本邦において寡少である現状にあって本研究は完成すれば日本の初期アメリカ研究に一定の貢献ができると思われるため、今後も継続していく予定である。
以上のように英国国教会と本国との関係を探る研究は未だ途中であるが、修士論文で注目したジョナサン・バウチャーという人物の伝記的考察を『東京大学アメリカ太平洋研究』12号に掲載した。これは一人物の分析を通じて独立革命当時の南部植民地における政治社会の実相に迫ることを意図したものである。バウチャーは革命期アメリカにおいて最も保守的な人物とされてきたが、彼のアメリカ植民地における軌跡を丹念に追ったところ、反動的とまでは言えないことが分かった。こうしたバウチャーが結果的に亡命を余儀なくされたのは、愛国派による詭弁的論難や暴力を伴う迫害を受けたことによる。ただし、彼は教会統治論上明らかに保守的であり、愛国派とは思想的に対立する要素を本来的に有していたとも言える。一方、愛国派の教会観も一枚岩的ではなかった。上で挙げた本国国教会の動向と合わせて、革命期アメリカの複雑な宗教状況を今後も考察していくつもりである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本国国教会側の史料は主にロンドンのランベスパレス図書館に所蔵されているが、手稿史料のため解読には時間を要する。そのため、平成23年度において論文の形で発表できたのは、修士論文を要約した論文一本に留まった。

今後の研究の推進方策

アメリカ革命前夜の南部植民地における公定教会に関する史料は数も少なく解読も困難なため、それだけで実証的な研究を進めることは難しい。このため、独立戦争中や合衆国憲法制定に至る時期に考察の範囲を拡大し、メアリランドおよびヴァジニアにおける宗教と政治の問題を考える方向で進める予定である。政教分離などの重要テーマとも関連すると考えられる。むろん、これまで目指してきたように、本国側の視点にも注意を払うつもりである。

報告書

(2件)
  • 2011 実績報告書
  • 2010 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The Most Reactionary Loyalist? Jonathan Boucher in Revolutionary Chesapeake2012

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Yajima
    • 雑誌名

      アメリカ太平洋研究(東京大学)

      巻: 12号 ページ: 114-131

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 独立前夜のアメリカ植民地におけるイングランド国教会-アメリカ主教派遣運動をめぐる中南部の聖職者による議論を中心に2010

    • 著者名/発表者名
      矢島宏紀
    • 学会等名
      アメリカ学会
    • 発表場所
      大阪大学吹田キャンパス
    • 年月日
      2010-06-05
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [備考]

    • URL

      http://www.cpas.c.u-tokyo.ac.jp/pub/index.html

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書

URL: 

公開日: 2010-12-03   更新日: 2024-03-26  

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