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がん抑制性細胞接着分子CADM1のγセクレターゼ切断による機能調節

研究課題

研究課題/領域番号 10J10138
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 生理学一般
研究機関東京大学

研究代表者

長柄 雄介  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2010 – 2011
研究課題ステータス 完了 (2011年度)
配分額 *注記
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワード癌抑制遺伝子 / CADM1 / γセクレターゼ / ADAM10 / shedding / プロテオリシス
研究概要

γ切断によって産生されるCADM1細胞内ドメイン(ICD)の細胞内局在を明らかにするため、生化学的分画法を用いた検討を行った。これにより、ICDの一部は核にも局在することを明らかにした。これは、ICDが転写調節に寄与するというストーリーと矛盾しない。これに加えて、クローニングしたICD断片をNIH3T3細胞に強制発現させて免疫染色も行ったが、こちらでは明確な局在が観察できなかった。
CADM1誘導性の細胞死がCADM1-ICDの産生を介して起こる可能性を考え、この仮説を検討するため、ICDまたは全長CADM1をCOS-7細胞に強制発現し、トリパンブルー法を用いて細胞死の変化を観察した。その結果、全長CADM1導入細胞では細胞死の増加が観察されたが、ICD導入細胞はベクター導入細胞に比べて細胞死は増加しなかった。ICDの産生は、CADM1の分解機構のひとつではあるが、細胞死の誘導を媒介するものではないと考えられた。
リソソームプロテアーゼ阻害剤であるE-64で細胞を処理し、全長CADM1および2種類の細胞質側shedding断片量を評価した。その結果、全長CADM1、α切断産物、β切断産物全てが蓄積した。この結果から、リソソーム酵素が全長CADM1と両shedding産物の分解を担っていることが明らかになった。
これまでの結果をまとめ、論文を執筆し、学術誌に投稿した。執筆全体に加え、投稿の処理のほぼ全てを自分で行い、論文投稿の全ての流れを把握した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

CADM1のプロテオリシス4)機構を解明し、分解で生じた断片の機能を探索することを主な目的として研究を行い、これまでに、CADM1のADAM10による切断とγセクレターゼによる切断を見出し、さらにリソソーム酵素による分解も見出した。また、γセクレターゼ切断で生じた断片について、細胞死への寄与の検討と局在解析を行った。

今後の研究の推進方策

γセクレターゼ切断産物(ICD)が微量であるため、ウエスタンブロッティングは可能であるものの困難であり、免疫細胞化学による局在解析も困難である。これは小さなタンパク質の迅速な分解に起因する可能性が考えられるため、プロテアーゼ阻害剤を用いるなどして検出を簡便にする必要があると思われる。また、ICDの機能評価については、これまでに細胞死への寄与を評価したが、用いる細胞株の変更や、神経細胞、マスト細胞の機能についての評価も可能であるため、今後追究する価値があると考える。

報告書

(2件)
  • 2011 実績報告書
  • 2010 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Tumor suppressor cell adhesion molecule 1 (CADM1) is cleaved by a disintegrin and metalloprotease 10 (ADAM10) and subsequently cleaved by γ-secretase complex2012

    • 著者名/発表者名
      長柄雄介
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 417 号: 1 ページ: 462-467

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2011.11.140

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] CADM1細胞内ドメイン断片の局在と細胞増殖における機能評価2011

    • 著者名/発表者名
      長柄雄介
    • 学会等名
      第16回日本病態プロテアーゼ学会
    • 発表場所
      千里ライフサイエンスセンター
    • 年月日
      2011-08-26
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [学会発表] ADAM10とγセクレターゼによるがん抑制性細胞接着分子CADM1/TSLC1の切断2010

    • 著者名/発表者名
      長柄雄介
    • 学会等名
      第69回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      大阪国際会議場、リーガロイヤルホテル大阪
    • 年月日
      2010-09-23
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [学会発表] ADAM 10を介した癌抑制遺伝子産物CADM1のプロテオリシス2010

    • 著者名/発表者名
      長柄雄介
    • 学会等名
      第15回日本病態プロテアーゼ学会
    • 発表場所
      千里ライフサイエンスセンター
    • 年月日
      2010-08-20
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書

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公開日: 2010-12-03   更新日: 2024-03-26  

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