研究課題/領域番号 |
10J10589
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
山本 洋平 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 蛋白質分解 / DnaJ蛋白質 / ユビキチン-プロテアソームシステム / p62 / Hsp70/Hsc70 / 構造異常蛋白質 / プロテアソーム |
研究概要 |
細胞内ではフォールディングに失敗した異常蛋白質がしばしば生じる。小胞体で構造異常タンパク質が生じると、当該タンパク質は小胞体からサイトゾルへと逆行輸送された後、プロテアソーム系で分解される。この過程は小胞体関連分解と呼ばれている。申請者が行ってきた研究からDNAJB12は動物細胞小胞体の構造異常膜蛋白質の分解において鍵となる役割を果たしていることが分った。 DNAJB12の細胞内における更なる機能解析をするために、質量分析法を用いてDNAJB12の相互作用因子の探索を行った。その解析の結果、DNAJB12の相互作用因子としてp62が(Sqstm1/A170)が同定された。p62は高等動物のサイトゾルに局在するタンパク質であり、アポトーシスなどの様々なシグナル伝達に関与していることが報告されている。その過程において細胞内でp62の存在量が制御されることが、細胞の恒常性維持に重要であることも報告されている。このことから申請者はDNAJB12が小胞体膜上でp62を分解し、アポトーシスをはじめとするシグナル伝達を制御しているのではないかと予想した。実験の結果、細胞内でp62の一部はDNAJB12依存的にプロテアソーム系で分解促進されることが明らかになった。さらに、DNAJB12依存的なp62の分解は、どのような生理的な意義を持つか調べる目的で、DNAJB12の発現抑制が細胞のアポトーシスにおよぼす影響を検証した。アポトーシス誘導条件下、DNAJB12のノックダウンをおこなうと、アポトーシスを起こしている細胞の割合が著しく上昇した。この結果から、DNAJB12はアポトーシスの制御にも重要であることが示唆された。本研究から、p62の量を適切なレベルに保つために、小胞体の膜タンパク質DNAJB12が重要な役割を果たしているという新知見を得た。
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