研究課題/領域番号 |
10J10816
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
|
研究機関 | 長岡技術科学大学 (2011) 東京工業大学 (2010) |
研究代表者 |
多賀谷 基博 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (20621593)
|
研究期間 (年度) |
2010 – 2011
|
研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2011年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2010年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | バイオイメージング / バイオセンサ / 水酸アパタイト / QCM-D / 発光 / ナノポーラスシリカ / 希土類イオン / 診断 / メソポーラスシリカ |
研究概要 |
本年度は、バイオセンシング技術・バイオイメージング技術への実用を目指し、"(I)水晶振動子マイクロバランス法におけるエネルギー損失解析によって体液でのバイオナノ界面の計測法を確立"した。さらに、"(II)細胞を効率的かつ低侵襲にイメージするための材料創製技術を確立"した。 (I)では、水溶液系での生体親和性材料(水酸アパタイト、ポリ(スチレン))に対するタンパク質の吸着に関わる界面の構造と物性を明らかにした。まず、マイクロバランス法に適した水酸アパタイトナノ結晶のナノ薄膜の成膜条件を確立し、再現性良くタンパク質を吸着するラジカル表面処理法を見出した。そして、血清の多成分タンパク質溶液から形成される材料表面の吸着層の粘弾性物性と溶媒効果(イオン種の違いの効果)の関係を見出し、複合吸着状態を明らかにした。さらに、血清タンパク質が吸着した表面へ細胞が接着するプロセスを見出し、表面の材料がタンパク質を介して細胞に寄与することを明らかにした。 (II)では、生体内・外でがん細胞を効率よく検出するための材料創製を目的とし、生体・細胞親和性および発光効率の高いナノ粒子を創製した。具体的には、希土類イオンを添加した水酸アパタイトナノ粒子および多孔質シリカナノ粒子の合成法を確立し、形態を制御し、がん細胞と特異的に結合・取込まれる分子をナノ粒子表面へ化学修飾する技術を開発した。その結果、合成したナノ粒子は、可視光励起によりイメージングに十分な赤色発光強度を示した。さらに、希土類イオンの添加・表面化学修飾によりナノ粒子の構造・発光は維持され、がん細胞イメージングに最適なナノ粒子合成法を確立した。 本研究の成果は、医療診断技術(振動子法による生体分子検出、体内診断薬剤による内視鏡診断)への実用が可能である。企業との共同研究推進および特許出願を精力的に推進し、実用化に向けた研究を展開する定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
精力的に研究推進し、細胞と材料の界面の諸現象について有機的にリンクさせることによって、体系的に界面現象を理解することを実現したため、当初の計画以上に進展した。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究課題は、初の計画以上に進展し、医療診断技術(振動子法による生体分子検出、体内診断薬剤による内視鏡診断)への明確な実用が可能である。振動子法による生体分子検出技術については、界面の重量変化と粘弾性変化に加えて、電気化学計測技術を付与した装置開発を実施する予定である。体内診断薬剤による内視鏡診断については、超早期診断と低侵襲治療が一体化した機能をもつ材料創製を実施予定である。その後、企業との共同研究推進および特許の出願を積極的に推進し、実用化に向けた研究を展開する予定である。
|