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近代中国の貞節観の変容―1910年代~20年代の節婦烈女を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 10J40051
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 ジェンダー
研究機関一橋大学

研究代表者

村上 瑞代 (須藤 瑞代)  一橋大学, 大学院・社会学研究科, 特別研究員(RPD)

研究期間 (年度) 2010 – 2012
研究課題ステータス 完了 (2012年度)
配分額 *注記
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2012年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2011年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2010年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードジェンダー / 東洋史 / 女性史 / 中国
研究概要

平成24年度においては、「民国初期の節婦烈女」を執筆し、辛亥革命百周年記念論文集編集委員会編『総合研究辛亥革命』(岩波書店、2012年)収録の論文として発表した。
当該論文においては、民国初期において節婦烈女の道を選んだ女性たちのうち、女子学校などで教育を受けた経歴を持っていても夫への貞節を重視している、つまり少女時代には近代的価値規範に基づく女子教育を受けながらも、結婚後の貞節については旧来の価値規範を固守している事例を分析し、従来二項対立的にとらえられてきた新旧の女性のあり方が、実は整合をはかりながら受容されていたことを明らかにした。当時の女性論において節婦烈女批判が強力には行われておらず、寡婦の生き方として、節婦烈女とは異なるあり方は提示されていなかった。すなわち、近代中国におけるジェンダー改変の主なターゲットであったのは、端的に言って生殖可能性のある未婚女性から若い妻にあたる層であった。結婚後寡婦となった女性はその対象から外れていたのである。
そして、褒揚条例の対象として節婦烈女が明示されなくなった1930年代になってもなお、夫や婚約者に殉死する烈婦/烈女の行為により褒揚されている女性が見られることも明らかにした。女性の貞操の重視は、夫の死後再婚しない、もしくは殉死する女性の出現を促し、政府がそれらを「節婦烈女」としてオーソライズすることによってさらに貞操重視の観念が強化されるというサイクルは長期にわたって続いてきており、条文から節婦烈女が消えても、そうした意識は根強く残っていたことを指摘した。
また、上記の日本語論文をベースに英文論文("The Chaste Widows and Exemplary Daughters(Jiefu Lienu)of the Early Republic of China")も作成し、欧米の雑誌への投稿を準備している。

報告書

(3件)
  • 2012 実績報告書
  • 2011 実績報告書
  • 2010 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 2012 2011 2010

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 女性と国際交流-竹中繁と日中女性の連帯2013

    • 著者名/発表者名
      須藤 瑞代
    • 雑誌名

      国際文化関係史研究(平野健一郎他編) (東京大学出版会)

      巻: (図書所収論文) ページ: 408-430

    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [雑誌論文] 民国初期の節婦烈女2012

    • 著者名/発表者名
      須藤 瑞代
    • 雑誌名

      辛亥革命百周年記念論文集編集委員会編『総合研究 辛亥革命』(岩波書店)

      巻: (図書所収論文) ページ: 439-464

    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [雑誌論文] 日本的≪中国女性史研究≫2012

    • 著者名/発表者名
      須藤 瑞代
    • 雑誌名

      近代中国婦女史研究(台湾)

      巻: 20 ページ: 201-209

    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [雑誌論文] 民国初期の節婦烈女2012

    • 著者名/発表者名
      須藤瑞代
    • 雑誌名

      辛亥革命百周年記念日本会議組織委員会編『グローバルヒストリーの中の辛亥革命』

      巻: (近刊)(掲載確定)(仮題)

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 書評「野村鮎子・成田靜香編『台湾女性研究の挑戦』(人文書院 2010年)」2011

    • 著者名/発表者名
      須藤瑞代
    • 雑誌名

      中国女性史研究

      巻: 第20号 ページ: 50-57

    • NAID

      40018732452

    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [学会発表] 民国初期的節婦烈女〔中国語報告〕2011

    • 著者名/発表者名
      須藤瑞代
    • 学会等名
      辛亥革命百周年記念日本会議(東京会議)
    • 発表場所
      東京大学駒場キャンパス(招待講演)
    • 年月日
      2011-12-04
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [学会発表] Chaste Widows and Exemplary Wives/Daughters (Jiefu Lienu) in Modern China : 1915-19272010

    • 著者名/発表者名
      Mizuyo Sudo
    • 学会等名
      Asian Studies Conference Japan (ASCJ)
    • 発表場所
      Tokyo : Waseda University
    • 年月日
      2010-06-20
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [学会発表] 近代中国の節婦烈女:1915-1927年を中心に2010

    • 著者名/発表者名
      須藤瑞代
    • 学会等名
      中国女性史研究会
    • 発表場所
      上智大学
    • 年月日
      2010-05-29
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書

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公開日: 2010-12-03   更新日: 2024-03-26  

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