研究課題/領域番号 |
10J40105
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
細胞生物学
|
研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
長崎 玲子 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 特別研究員(RPD)
|
研究期間 (年度) |
2010 – 2012
|
研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2012年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2011年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2010年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 細胞運動 / トランスフェクションマイクロアレイ / 時系列解析 / がん細胞 / 癌細胞 |
研究概要 |
細胞運動は、器官形成などにおいて重要な役割を担うだけでなく、がん細胞の浸潤にも関与している。しかし細胞運動の制御過程は複雑であり、未だ断片的な知識しか得られていない。そこで本研究では、独自技術である細胞運動評価チップを用いて細胞運動調節因子を全キナーゼ及び関連因子群からスクリーニングする。さらに細胞外マトリックス依存的に発現誘導を受ける遺伝子の情報と上述の結果の統合することで、転写レベルのECM依存的発現誘導からがんの悪性度を左右する細胞運動調節キナーゼの活性化に至る一連の作用機序について理解を深める。 本年度では実験条件の最適化が容易に可能となり、安定的に細胞運動を再現する環境が整ったため、一次スクリーニングで絞り込まれた遺伝子を再評価した。昨年度の結果に対して24遺伝子が残り、新たに6遺伝子が同定された。新規同定6遺伝子に対するsiRNAの抑制効果を確認したところ、5遺伝子で抑制効果が確認できた。新規同定6遺伝子は該当しなかったが、24遺伝子のうち3遺伝子が昨年度報告したように細胞外マトリックス依存的に発現誘導を受ける遺伝子と重複した。さらに、L2b細胞とL2bの亜種でありコラーゲン依存的な細胞運動が遅いT1細胞との間で上記遺伝子の発現量を比較したところ、L2b細胞での発現が上記とは別の3遺伝子について高くなった。また、新規同定6遺伝子の細胞内局在も検討したところ、細胞膜、小胞体、移行型小胞体、細胞質に局在した。 さらにタンパク間相互作用のデータベースを用いて30遺伝子について最短経路を描画した結果、EGFRを中心としたパスウエイが浮かび上がった。すなわちEGFRを抑制することですべての細胞運動のシグナルを停止させることが可能であると思われる。以上のことから、我々のスクリーニング手法で浮かび上がってきた遺伝子群は局在・機能も多様であったが、パスウェイ解析の結果最上流にEGFRがあることが示唆された。
|