研究課題/領域番号 |
10J56562
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
石津 大嗣 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2012年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | piRNA / Piwi / Zucchini / Yb body / CLIP / 生殖細胞 / Yb-body / RNAサイレンシング |
研究概要 |
ショウジョウバエ生殖細胞特異的に発現しているArgonauteタンパク質Piwiは、Piwi-interacting RNA(piRNA)と呼ばれる小分子RNAと結合し、転移因子の抑制や遺伝子発現の調節を担っている。我々は、これまでの研究で得られた知見をもとに、ショウジョウバエ卵巣体細胞特異的に存在する細胞質顆粒構造体Yb bodyにおいてpiRNAの前駆体となるRNAが成熟化しPiwiと結合するというモデルを提唱した。しかし、piRNA生合成に関与するRNA切断酵素の存在は明らかにされておらず、150kbにわたるゲノム領域から転写された長鎖RNAがどのようなプロセシング経路をへて25~30塩基長の成熟型piRNAになるのかは不明だった。 当該年度において、我々は遺伝学的解析からpiRNA生合成に必須であることが示されていたZucchini(Zuc)と呼ばれるタンパク質の構造解析および生化学的解析を行った。その結果、ZucがpiRNA前駆体を切断することで成熟型piRNAを生成するエンドリボヌクレアーゼであることを見出した。piRNAは5'末端にリン酸基を持つが、zucにより切断されたRNAの5'末端もリン酸化されていたことから、zucがpiRNAの5'末端を決めるRNA切断酵素であることが示唆された。また、Zucはミトコンドリア外膜上で二量体を形成すること、ミトコンドリアがYb bodyと近接して局在することを示し、Yb bodyにおいてpiRNAの成熟化が起こるというモデルを指示する結果を得た。本研究により初めてpiRNA生合成に必須のRNA切断酵素の実態が明らかとなり、その成果はNature誌に受理された。
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