研究課題/領域番号 |
11102004
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
物理系
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研究機関 | 京都大学 (2001-2003) 広島大学 (1999-2000) |
研究代表者 |
田村 剛三郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (30155262)
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研究分担者 |
下條 冬樹 熊本大学, 理学部, 助教授 (60253027)
星野 公三 広島大学, 総合科学部, 教授 (30134951)
乾 雅祝 広島大学, 総合科学部, 助教授 (40213136)
内海 渉 日本原子力研究所, 研究員
船越 賢一 高輝度光科学研究センター, 研究員
沼倉 宏 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40189353)
田中 克志 京都大学, 工学研究科, 助手 (30236575)
舟越 賢一 (財)高輝度光科学研究センター, 利用促進部門, 研究員
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研究期間 (年度) |
1999 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
263,900千円 (直接経費: 233,000千円、間接経費: 30,900千円)
2003年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2002年度: 33,800千円 (直接経費: 26,000千円、間接経費: 7,800千円)
2001年度: 88,400千円 (直接経費: 68,000千円、間接経費: 20,400千円)
2000年度: 74,000千円 (直接経費: 74,000千円)
1999年度: 56,000千円 (直接経費: 56,000千円)
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キーワード | 超臨界金属流体 / 放射光 / X線回折 / X線小角散乱 / X線非弾性散乱 / 密度ゆらぎ / 金属-非金属転移 / 水銀 / 密度のゆらぎ / X線回析 / 流体水銀 / 流体セレン |
研究概要 |
水銀、セレンおよびアルカリ金属等の金属流体を対象としてその静的・動的構造を解明するために、第3世代大型放射光施設SPring-8を利用してX線回折、X線小角散乱およびX線非弾性散乱測定を行った。 1)高圧装置の開発:1700℃、ヘリウムガス圧縮による2000barまでの高温高圧下で放射光実験が可能な内熱型高圧容器の開発し、X線回折、X線小角散乱、X線非弾性散乱用に異なる3種類の高圧容器を製作した。国の特別認可を得て、これらをガス圧縮装置と共にSPring-8の3つのビームラインに設置した。 2)流体水銀:X線回折により、液体から気体にいたる広い密度領域において、完成度の高い構造因子S(Q)と二体分布関数g(r)を得た。その結果、密度の減少と共に、最近接原子分布の中でもより近い位置にある原子の数が選択的に減少すること、さらに配位数のゆらぎが発生することが、金属-非金属転移の誘因であることが分かった。次に、X線小角散乱により臨界散乱の観測に初めて成功すると共に、臨界密度ゆらぎの他に金属-非金属転移に付随する中距離スケールの弱い密度ゆらぎの存在することを見出した。さらに、X線非弾性散乱測定を行い、広い温度圧力領域における非弾性散乱スペクトルを得た。その結果、金属-非金属転移領域において通常の音速に比べ3倍もの速い音速が存在することを見出した。さらに、この速い音速が金属-非金属転移を引き起こすゆらぎに深く関わっていることが明らかになった。 3)流体セレン:X線回折により、液体から気体に至る広い密度範囲で完成度の高いS(Q)とg(r)を得ることができた。さらに、X線小角散乱測定を行い臨界散乱の観測に成功すると共に、半導体-金属転移に伴う弱い密度ゆらぎが存在することを見出した。 4)流体ルビジウム:新たに開発した単結晶モリブデン容器を用いることによって、液体から気体に至る広い範囲でのX線回折測定に初めて成功した。実験結果と第一原理分子動力学シミュレーションの結果を合わせ考えることにより、膨張してゆく流体ルビジウム中に、非常に速い段階で、すなわち臨界温度から遠く離れた液体金属領域において二原子分子が出現するという興味深い事実が明らかになった。
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