研究課題/領域番号 |
11111213
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 和生 京都大学, 文学研究科, 教授 (80183101)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | マカクザル / 乳児 / 初期知識 / 生物的運動 / 知覚的補間 / 因果知覚 / 顔認識 / 素朴物理学 |
研究概要 |
ヒト乳児は外界に関する種々の複雑な知識を数ヶ月齢から示す。例えば、ヒトの頭部や関節に光点をつけて闇の中を歩かせると、我々はその光点の動きが即座にヒトであると認識するが(生物的運動)、同様の知覚が乳児にもある。物体は衝突されない限り勝手に動き出さないことを乳児は知っている(衝突における因果関係)。いずれも論理的には例外のあり得る現象だが、多くの場合に当てはまるこのような解釈をすることにより、外界をより容易に知ることができる。これは一種の自然法則の認識である。本研究ではこれらの知識の系統発生を調べることから、ヒト乳児がなぜ早期にこれらの知識を示すのかを探っている。マカカ属のサルの乳児に、上述の知識を調べるためのビデオ映像を提示し、凝視時間を測定した。飼育室で母子あるいは人工保育されている2〜8ヶ月齢のサルにヒトの生物的運動を見せると、正立・倒立によらず凝視時間に明瞭な差は見られなかった。しかし、放飼場で育てられたサル乳児に同じ映像を見せると、おおむね10週齢以降はサルの正立映像を長く見ることがわかった。生物的運動の認識には、実際の運動を見る経験が重要だと思われる。衝突の因果関係の認識を調べるために、物体Aが物体Bに衝突されて動き出す場面と衝突を受けることなく勝手に動き出す場面のビデオを見せた。8〜12週齢のサル乳児は、衝突がなかった場合には驚いてそれを長く凝視し、物体衝突の因果関係を理解しているようであった。ヒトの乳児では、ボールが自発的に動き出すと驚き長く凝視するが、ヒトが自発的に動き出しても驚かないことがわかった。つまり乳児はヒトとモノに異なった因果性の規則を認識していることがわかった。また、マカクザル乳児に顔図形と部品をでたらめに配置した図形を見せると、4週齢以上では顔図形をよりよく追視し、ヒト乳児とほぼ同様の発達を遂げることがわかった。
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