研究課題/領域番号 |
11111226
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
久保田 競 日本福祉大学, 情報社会科学部, 教授 (30027479)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 行動抑制 / アカゲザル / ヨヒンビン / ゴーノーゴー課題 / 多動 |
研究概要 |
対称性強化のゴー・ノーゴー課題(遅延0-10秒)を学習させた、3頭のアカゲのコザル(ゴロウ、ユースケとサクラ、0-2才)に、課題遂行中に、ブロードマンの8野にアルファー2アドレノセプターのアゴンタゴニストであるヨヒンビンの微量を直接注入した。すると、5-60分の間、ゴー・ノーゴー課題の成績が悪くなり、課題遂行の時間が延長した。それだけでなく、宙返り跳び、時計回りまたは逆時計回りの歩行等の多動(hyperactivity)が誘発された。課題の成績は、ゴー試行もノーゴー試行もどちらも間違えるようになった(オミッションエラーとコミッションエラーの増大)。多動は、サルが手掛かり刺激をみて、反応するしないを憶えて反応を起す直前(遅延時間)に特に多くなった。課題成績の低下と多動は、同時に見られ、注入するアヒンビンの量によって分離することが出来なかった。これらの効果は、ノルアドレナリンが8野ニューロンに起している持続的抑制作用がヨヒンビンによって脱抑制されたために起こったものと考えられる。従来、多動がサルの前頭葉の破壊で誘発されることが知られていたが、ヨヒンビンによって誘発されたことは、前頭葉の抑制機能の脱落によって多動が起こること示したことになる。誘発された行動は小児の注意欠陥性多動異常(Attention Deficit Hyperactivity Disorder,ADHD)に似ているので、ヨヒンビンによってサルのADHDが誘発されたと考える。
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