研究課題/領域番号 |
11112221
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
飯塚 勝 九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (20202830)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 弥生人 / 縄文人 / 渡来人 / 人口動態 / 集団遺伝学 / 数理モデル |
研究概要 |
本研究では、北部九州の弥生中期の甕棺に保存された人骨資料のデータと、甕棺の編年に関する考古学的データ、そして、人骨資料欠落期における考古学的知見を有効に用いることにより、弥生開始期の人口動態に関して、集団遺伝学モデルを用いて数理科学的、定量的な解析を行った。 弥生開始期に、縄文系弥生人(土着系)の集団(あるいは、集団群)と渡来系弥生人を中心とした集団の2つの集団が存在したとする。縄文系遺伝因子、渡来系遺伝因子を、それぞれAとaとする。縄文系集団におけるAA個体数と、渡来系集団における、渡来系弥生人aa、混血人Aaと縄文系弥生人AAの個体数の変化(増加)は集団遺伝学における連続時間モデルを用いて記述することができる。弥生中期における縄文系と渡来系弥生人の割合は甕棺に保存された人骨の資料等により推測される。弥生開始期から前期末までの時間を200〜300年とし、甕棺に保存された人骨数の推移から求められた渡来系弥生人を中心とした集団の人口増加率、さらに縄文系弥生人集団の人口増加率を与えることにより、弥生開 : 始期の人口動態に関する知見を得ることができる。本研究では、弥生開始期の渡来系集団の渡来系、混血、縄文系の比率が男女により異なる場合と、渡来系集団における渡来系、混血、縄文系の個体に生存率に差がある場合の2つの場合を解析し、渡来系集団の創設期に取り込まれた縄文人女性の比率等に関する知見を得た。 さらに、今後の研究としては、弥生中期の人骨資料から抽出されたミトコンドリアDNAの塩基配列を、縄文人の対応するDNA塩基配列と比較することにより、本研究により得られた結果の妥当性を考察することを準備中である。
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