研究課題/領域番号 |
11112224
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
山浦 清 立教大学, 文学部, 教授 (50111589)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 海獣狩猟 / 漁撈 / 日本海 / 銛 / 弥生時代 / 縄文時代 / 恵山文化 |
研究概要 |
日本列島における海獣狩猟文化の起源・系統を考える上で、沿海州・アムール川流域における回転式銛頭(=雌型銛頭)を有する先史漁撈民の動向が重要である。近年、中国黒竜江省新開流遺跡、ロシア沿海州ボイスマン遺跡において回転式銛頭と推測される資料の存在が明らかになってきてきた。従って、今年度の第一の目的としては、それら資料の現地調査であった。その結果、当該地域においては紀元前6000年前後からの回転式銛頭の使用が確実視されることとなった。こうした点からすると、日本列島には、縄文時代早期における石刃鏃文化の大陸から北海道への波及に伴って、回転式銛頭が北日本へ伝播した可能性があると推定される。さらに、縄文後期段階には、沿海州地域から朝鮮半島東海岸部うぃ経由して北九州への伝播ルートも想定されるのである。こうした状況は、環日本海的な漁撈民の活発な活動が推測させる。 次に、今年度においても日本国内資料の充実にも努めた。近年調査・報道された鳥取県青谷上寺地遺跡の資料は、当研究代表者が昨年指摘しておいた、弥生時代と北海道恵山文化の関係についての推定を一層補強する資料となってきている。それは弥生文化伝播における漁撈民の果たした役割の重要性について改めて考えさせるものである。
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