研究課題/領域番号 |
11116218
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鈴木 晋一郎 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70116052)
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研究分担者 |
片岡 邦重 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40252712)
山口 和也 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80252550)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | シュドアズリン / ブルー銅タンパク質 / 電子移動 / X線結晶構造解析 / 変異体 / タイプ1銅 |
研究概要 |
我々は昨年Achromobacter cycloclastes IAM1013からの電子伝達ブルー銅タンパク質、シュウドアズリン(pAz)の酸化体(135Å分解能)と還元体(1.6Å分解能)におけるX線結晶構造解析に成功した。このタンパク質は、銅型亜硝酸還元酵素に電子を供与する。従って、平成11年度は主としてこの結晶構造解析で得られた知見に基づいて、pAzの構造と機能を研究した。X線のデータによると、pH6.0における両者の構造において、銅の周りの構造変化は小さいが、銅イオンから約12Å離れたところに位置しているHis6残基の変位が観測された。すなわち、酸化型では、His6(Nδ1)はThr36(Oγ1)と水素結合(2.73Å)しているが、還元型では、His6(Nε2)がGlu4(Oε1)と水素結合しており、両者においてHis6のイミダゾール環はThr36とGlu6の間でシャトルのように振る舞っている。これらの残基の機能を調べるために、変異体pAzからNIRへのタンパク質間電子移動反応をサイクリックボルタンメトリーにより測定した(pH7.0,25℃)。His6Alaでは野生型pAzの電子移動速度の85%に減少し、Thr36Valでは67%に減少したのに比べて、Glu4Alaの場合には14%と大きく減少していた。これらの結果は、還元型pAzにおけるGlu4とHis6との水素結合形成、すなわちHis6の固定がNIRとの相互作用に重要であることを示唆している。他の菌種からのpAzにおいてもThr36は保存されていないが(Alc.faecalis S-6ではVal36)、Glu4は保存されていることから考えても、このHis6およびGlu4との水素結合が両タンパク質の認識に関与しているのであろうと結論された。
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