研究課題/領域番号 |
11116219
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
伊東 忍 大阪市立大学, 理学部, 教授 (30184659)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 活性酸素 / 銅錯体 / 反応機構 / 反応制御 / 酸素添加反応 / 金属酵素活性中心モデル / ノンヘム / ニッケル錯体 |
研究概要 |
我々はこれまでに、銅含有モノオキシゲナーゼ(ドーパミンβ-ヒドロキシラーゼ、チロシナーゼ、メタンモノオキシゲナーゼなど)の機能解明を目的として、主にピリジルエチル系三座配位子を用いて、銅(I)錯体と分子状酸素との反応について詳細に検討を行ってきた。その結果、side-on型のペルオキソ二核銅(II)中間体から、酸素-酸素結合の開裂を経て生成するbis-μ-oxo型二核銅(III)錯体が真の活性種となり、ここからアルカン類の水酸化反応が効率良く進行することを明らかにした。しかし、この場合前者のペルオキソ種のみが分光学的に検出可能であった。これに対してピリジルエチル基の一つを取り除いた二座配位子を用いると、両方の中間体が検出可能となり、同様のアルカン水酸化反応が効率良く進行した。そこで本特定領域研究の最終年度では、このような酸素-酸素結合の開裂を制御する因子を明らかにするため、配位予に種々の置換基を導入した新規な二座および三座配位子を合成し、立体的効果や電子的効果について系統的に検討を加えた。得られた成果を基にして、活性酸素錯体の構造と性質、および基質との反応性の違いについて考察を行い、酵素系における活性酸素種の構造と酸素添加反応機構の解明を試みた。さらに、酸素添加触媒としての応用を図るため、各種外部基質との反応や、さらに新しい配位子の設計・合成を行い、活性酸素種の構造と反応性の制御を任意に行えるような系の開発に成功した。また、単核の銅-酸素活性種についても、かさ高い置換基を有する三座配位子を用い、その構造と反応性について詳細に検討を行い重要な知見を得た。さらに、他の遷移金属(本年度は特に、ニッケル)についても同様にして検討を行い、中心金属の役割を系統的に解明するための基盤が構築できた。
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