研究課題/領域番号 |
11118207
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山岸 晧彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70001865)
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研究分担者 |
谷口 昌宏 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30250418)
高橋 正行 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50241295)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 無機・有機ハイブリッド / 修飾電極 / 不斉電解酸化反応 / LB法 |
研究概要 |
本研究では、LB法の応用により無機層状化合物と金属錯体の複合薄膜を形成し、それを電極修飾膜に応用することを目指した。この方法では、単一層にまで剥離した粘土鉱物分散液の上に金属錯体錯体単分子膜を形成する。ここで金属錯体はRu(II)イオンを含み、2価3価の酸化還元反応を行なう。さらに、この錯体は金属イオンを含む極性部分と長鎖アルキル基による疎水部分からなる両親媒性分子にしてある。下相の粘土鉱物粒子が錯体の親水基との静電気力によって結合する結果、分子レベルでハイブリッド化した錯体・粘土複合膜が形成される。得られた薄膜試料を電極(ITO)に積層した修飾電極とした。その結果、膜中の錯体の90%以上が電気化学活性であることが解った。これは従来のキャスト法による粘土修飾電極では活性錯体の割合が3%以下であるころを考えれば格段の改良である。本方法によるLB粘土膜では、粘土薄膜が均一な厚さですべて基板方向に平行に向いているためであると思われる。また、Ru(II)とOs(II)2種類の金属錯体を交互に用いた積層膜では、常に外側にある錯体が化学活性であることが解った。これより電荷移動過程において外部からの対イオンの出入りが反応速度を決めていることが推定された。さらにこの修飾膜による有機分子の電解酸化も行なった。そのためにスルフィドからスルフォキシドへの酸化をこころみた。生成するスルフォキシドは分子不斉を有する。これらの結果は、界面における分子不斉識別、さらに高次の複合物質系の構築を実現するための基礎知識となることが期待される。
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