研究課題/領域番号 |
11118216
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中島 徹 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70292779)
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研究分担者 |
山下 晃一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40175659)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ダイヤモンド電極 / 第一原理計算 / 密度汎関数法 / 外部電場 / グラファイト電極 / Anderson-Newnsハミルトニアン / 電子移動 / 吸着子 |
研究概要 |
ホウ素をドープしたダイヤモンドは電気伝導性が高く、また広い電位窓を有するという特徴から優れた電極として注目されている。本研究では、ダイヤモンド表面をクラスターでモデル化し、電場を作用させた際のダイヤモンド電極表面上にある吸着子の吸着構造、電子状態を第一原理計算により決定し、ダイヤモンド電極表面の電子的特性を原子・分子レベルで議論した。吸着構造に関しては、クリーンなダイヤモンド(111)表面、及びホウ素をドープしたダイヤモンド(111)表面に吸着子としてH^+を接近させた系について検討した。表面モデルには第1、2、3層がそれぞれ10、6、4個の炭素原子からなる3層のクラスターモデルを用いた。またホウ素をドープしたダイヤモンド(111)表面は第1層または第2層の炭素原子1個をホウ素原子に置換することによりモデル化した。計算方法には密度汎関数法(B3LYP/6-31G*)を用い、外部電場の効果は、均一電場を一電子演算子として導入する事で考慮した。また、ダイヤモンド(111)表面-H^+間での電子移動過程については、Anderson-Newnsハミルトニアンに基づいて考察した。ダイヤモンド(111)表面とH^+の相互作用については、C-H軸上を吸着サイトとした場合は、外部電場やホウ素の存在の有無に関係なく安定化の傾向は見出されなかった。電極表面-H^+間での電子移動の結合定数の分布は、ダイヤモンド電極の場合では特定のエネルギー準位において幅広く分布しているのに対し、グラファイトでは狭いことが分かった。これらの傾向がダイヤモンド電極と他の炭素同素体電極との電子移動過程の違いを生じさせているものと考えられる。
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